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私がここで過ごすのも当たり前のようになってきた。
私たちの仲はさらに深まり、お互いを名前で呼びあったり、家にいたくなくてここで過ごしていたり。
日が沈んでもここにいるのがいつしか当たり前になった。
今日もまた、二人で夕日が落ちるのを見た。
今日は、少し遠くで花火の音がする。
「 今日、花火大会か 」
大我がそう言って、スーパーに張り出していたチラシを思い出した。
「 だからさっきからこんなに音鳴ってるんだ 」
大我はギターを横に置くと荷物を持って立ち上がった。
私はどこか行くんだろうか、とぼーっとみていると、
「 花火、いかないの？ 」
急にそんなことを言うもんだから、驚いて、
「 行く 」
素直について行くしかなかった。
絶対に人混みには行こうとしない大我がこんなことを言うなんて何か怪しい、と感じてしまうほど、
今日の彼はご機嫌に見えた。
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「 A漕いでよ 」
「 嫌だよ 」
「 じゃあ、行きは俺漕ぐから、帰りはAな 」
「 待って、私坂道じゃん 」
「 早く、後ろ 」
私の言葉なんか気にしない大我は早く乗れ、と私を急かす。
後ろに乗ると、強引に回させられる腕。
途端に近くなる距離。
その少し強い力が、やっぱり男の子だ、と感じさせた。
「 下るよ 」
急降下の坂道。
遠くから花火が見える。
「 初めて友達と花火見た 」
ぽつりと呟くと、
「 お前マジで悲しいやつだな 」
って、笑われる。
風が少し冷たくて、しがみつくように大我残しに回す腕の力を強くした。
「 お前殺す気？ 」
「 ごめん 」
さすがに強すぎたかもしれない。
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作者名：a.
| 作成日時：2020年10月17日 22時
