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そんな輪廻【支倉 初音】 ページ3

いつもの生徒会部室。
しかし今日は、空気が一風違っていた。
静かな部室に響き渡るのは、聡明そうではっきりとした女性の声。
 「企画書は全員に届いたか?早速説明を始めるぞ」
彼女はそうとだけ、告げるとチョークを手に取った。
  ☆★☆★
私は視線がこちらに向いたのを肌で感じ取ってから、白いチョークを手に取った。
 「企画書を開け。今から…そうだな、三分、時間を取るから一ページまでの内容を確認して欲しい」
よーい、はじめ。
生徒たちが私の掛け声と同時に、ぱらり、と企画書を開いた。
そこには、入試のような張り詰めた緊張感とシンクロ感があった。
入試の様だったので、机間巡視でもしてみるかと私は一歩を踏み出した。
三分ほど経過した。
 「やめ」
鋭くそうとだけ告げると、みな今の間に全て読めたようで、企画書から顔をあげた。
その顔には、安堵の色が少し混じっているように見えなくもない。
私は教壇に戻ると、黒板にこう書きつけた。
 『・イースター』
書き終えると、いつもの授業のように問いを投げかけた。
 「ハルトマン、だいたいの流れは?」
ハルトマンはおもむろに椅子から立ち上がった。
ガタリ、と椅子が音を立てる。
 「『・学校内に合計100個のタマゴが隠され、タマゴを協力し合って全て発見する』、ですね」
彼の整った唇が動く。
完答だ。さすがハルトマン。あいつ、成績も良いしな。
 「有難う。もう座っていいぞ」
彼は一礼すると、再び音もなく席についた。
その動きは洗練されおり、見る者によっては出身が裕福な過程であるということを気づかされるようだった。
私は先ほどハルトマンが言ったことを黒板に書きながら、
 「次、スカーレット。その次を読んでくれ」
 「はい。『難しいミッションもあれば、簡単なミッションもある』」
スカーレットは息を大きく吸ってから、はきはきと聞き取りやすく、大きい声で文面を読み上げた。
 「有難う」
 「いえ」

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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年4月28日 20時

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