【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ14)

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始まりの拡声器【支倉初音】ページ14

校庭にて。
今日は入学式の時のような、雲一つない快晴だ。
校庭は同じ空だった入学式とは打って変わって、生徒会と転生部の生徒たちしかいないので比較的静かだ。
転生部との打ち合わせも無事終了し、ついにイースター本番がやって来た。
まだ焼け跡の残る校庭に、朝礼台が一人佇む様に置かれていた。
朝礼台はずっと雨や風、稀に雷や雪等にさらされているせいだろう、少しばかりか錆びついていた。
私は朝礼台の上に立ち、拡声器を段ボール箱から取り出した。
演説は教頭先生に任せた方がよかったか？
あいにくさまだが私は教頭先生のような演説スキルを持っていない。
持っていないというよりかは、彼のような緻密な計画を練る時間がない。
そんな自分に苦笑しながらも、私は生徒会と転生部の生徒たちに声をかけた。
　「その辺にしとけ。別の部活の生徒たちが来るだろうから」
　「はい！」
　「了解です！」
などと返事が聞こえた。ん？
こういう時に決まって一番に声をあげる鶯崎がいなかった。
私は朝礼台から、鶯崎がいるかどうか見ていたのだが、どこにも彼女の赤毛は見えない。
おかしいな。なにか、取りに行ったのだろうか？もしくは、彼女の身になにかあったか？
一人で彼女の安否を心配していると、
　「せんせー！」
と、鶯崎がすごい速さで運動場に転がり込むようにかけてきた。彼女が勢いよく砂を蹴る。
肩で息をしながら、彼女は朝礼台の前で足を止めた。
ふう、と一息ついてから、鶯崎はぱっと顔をあげて言った。
　「なんか、一年生たちの間で、またオーバードーズ絡んでくるんじゃないか、親睦を深めるためなんじゃないか、って噂が立ってるらしいです」
私は思わず彼女の言葉に苦笑した。
実はこのイースター、『なんとなく面白そうだから』という根拠のない理由で開催されている。(ちなみに、三年前から始まった)
決して親睦を深める、なんて意味合いはないのだが。
　