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奔れ、転生部!【鶯崎 林檎・転生部】 ページ1

「あ、そっちの機材、持って行っといて!ついでにミッションも追加で!」
あたしは企画書が入った段ボールを部室の机にドスンと置き、ポケットからビニール袋を取り出した。
ビニール袋には表には『まほろばみるくぱん』、裏にはびっしりと説明書きが印刷されており、中身が見えるようになっていた。
これはあたしのバイト先・ひだまりベーカリーの看板商品である。
バイトのお駄賃として、店主のバジルさんにもらった。
『まほろばみるくぱん』は、大都市スカイハイで最も有名なパン。
もちろん、あたしは、だーいすきなパンだよっ!
あたしは心の中で叫んでから、パリッと音を立ててビニール袋を開けた。
パンの表面はつやつやで、ちょうどいい具合に焼けていた。
一口齧り、そのまま段ボール箱の中の書類をチェックしていく。
転生学園の食堂・ゼファー食堂に、あたしがページをめくる音が微かに響く。
全てに目を通してから、あたしはニヤリと不敵に笑った。
今回のイースターも、面白そうじゃん。
最後の一口を口に放り込み、あたしは段ボール箱の中に書類を戻すと、転生部部室に向かった。
  ☆★☆★
 「はい、ただいま!」
ガラリ、と転生部部室の引き戸を段ボールで両手がふさがっているため、あたしは肘で開け放った。
と、中から
 「大丈夫ですか?お手伝いしますよ?」
鈴を転がすような声が降って来たと思ったら、同じく転生部の水夏だった。
ヤバい、彼女が天使に見えて来た。
水夏、天使や。思わずエセ関西弁になる。
こういう気遣いが出来るのは、あたしの知り合いの中では水夏だけである。
あ、フローリエもそうか。でもフローリエはいっつも保健室にいるからなぁ。
目を地味に潤ませるあたしに、ん?とでも言いたげに水夏が首を傾げた。
やっば、自分の世界に完全に行ってしまっていた。
 「有難う!じゃあ、これお願いね!」
 「はーい!」
あたしは水夏に段ボール箱を手渡してから、数名の部員が机に座っている部室に入った。
あたしは水夏から段ボール箱を受け取り、そのなかの書類を引っ張り出した。
その書類を落とさないよう、細心の注意を払いながら教壇に向かう。
 「はい、注目!」

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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年4月28日 20時

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