48話 手を差し伸べる者 ページ2
ここはどこだろう。
夢の中？
ふわふわと体が浮くような感覚にこれが現実ではないことに気付く。
「あぁそういえば俺、六道骸に会って…それで…」
思い出せない。
どうして自分はこんな事になっているんだろう。
自分は負けたのか？
「俺は…」
そんな何もないような夢の中に、一つ光るものを感じた。
ティアラだ。
銀で出来た、本物のティアラ。
俺が王宮にいる時はいつも付けていた。
しかし、どこかで落としてしまったらしい。
今は昔のに似ている物を探してそれを代用して使っている。
「あれは、俺の…」
手を伸ばしたら、消えてしまった。
「あ…」
届かない。
また、届かない。
「A、私はここですよ。」
この声は…
「お母様！！」
そう言って叫んで走って行っても、もう届かない。
次々と新しく声が聞こえてくる。
父の声、兄の声、世話をしてくれたメイドや執事の声、何回か遊んだ国民達の声……
全てが手を伸ばした瞬間に消えていく。
いや、俺が手を伸ばしてしまったから消えていった。
「あぁ…あぁあ………」
苦しくなり、声が出なくなる。
これは俺の所為なのか？
家族が死んだのも、国が滅びたのも…全部、全部！
「そうですよ。」
今度の声は…
「君の周りにいたら皆消えてしまう。だから、どうです？僕の所へ来ませんか？」
そう言って彼は俺に向けて手を伸ばした。
俺の周りは消えてしまう？
そうなのか…
やっぱり、そうなのか………
「僕は、君の前から消えたりしませんよ。」
もう何もかもがどうでもよくなり、俺は差し伸べられた手に手を伸ばす。
しかし。
もう一つ、新しい声が聞こえた。
「君が目覚めた時にちゃんと皆でここで待ってるから！だから、今度からは一人で行動しないで、出来れば俺達を頼って欲しいんだ。」
待ってる？
頼る？
俺の側にいたら皆消えてしまうのに？
「誰のことを信用して良いのか分からないような不安な目。でも安心しなさい。私達は貴方がここにいる限り貴方の味方よ。」
味方
私の味方…？
そして、その方向からもまた腕が伸ばされる。
俺は掴みかけていたその腕を離し、もう一つの腕を掴んだ。
手を取った瞬間、何人もの人に掴まれる様な感覚がした。
彼らは『私』への引っ張り上げてくれた。
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フィラン - いつも楽しく読ませてもらっています！途中で主人公の一人称が私になってたのが少し気になってました(笑) (2015年6月10日 23時) (
レス) id: 92b6a6750a (このIDを非表示/違反報告)
ラン - まだ間に合うのならザンザスに一票入れたいです！更新頑張ってください！！ (2015年3月3日 14時) (レス) id: 1e40475473 (このIDを非表示/違反報告)
ピクリン(プロフ) - 皆さんアンケートご協力ありがとうございました！あと5日くらいで締め切ろうと思います！途中経過はフランが1位で、ザンザスが2位です。まさかフランがこんなに人気があるとは思いませんでした笑 感想を書いてくれた皆様、これからも書いていくのでお願いします！ (2015年2月28日 16時) (レス) id: 2a554c6a61 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ依存症★ - 初めまして！！お話、面白いです(´∀`)オチは、フランでお願いします！ 更新頑張ってください！ (2015年2月28日 15時) (レス) id: a703f155f4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - オチ 、フランに入れますー (2015年2月28日 9時) (レス) id: e13bf30126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピクリン酸 | 作成日時：2015年2月19日 19時
