11話 姫の狂気 ページ13
自分の肩から血が流れるのを感じた。
何故か、痛いという感覚はあまりなかった。
痛いというよりも、悲しかった。
流れる記憶。
それはずっと忘れていた記憶だ。
自分を庇って死んだ母。
そして。
自分の生き写しのような兄、ラジエルが戦いの最中に撃たれて死んでいくその様子。
忘れていた。
忘れていたかった。
思い出したくなかった。
でも…思い出さずにはいられなかった。
そして、自分の流れ出る血を見た瞬間にどこからか、自分のドス黒い感情が流れてきた。
こいつらを殺したい。
今目の前にいる彼らは母や兄の仇ではない。
むしろ、向こうからすると俺が彼らの仲間の仇だ。
しかし、この時、そんなことを考えられるほど余裕がなかった。
そして、俺は彼らを片っ端から殺した。
我を忘れて。
狂気に駆られた。
そんな時、いつものあの大音声が聞こえた。
スク「ヴおおおおぉぉい！生きてるかぁベルぅ！！」
自分を心配しているのだろう。
しかし、俺の意思とは裏腹に体は勝手に動いた。
俺は、スクアーロに向かってナイフを投げつけた。
スク「ゔぉ！？どうしたベル！！」
もう、何も聞こえなくなった。
そのままAはスクアーロへ飛びかかり、ナイフを向けた。
スク「ベルぅ！目を覚ましやがれ！！」
いくら言っても反応を示さずに向かってくるAに、スクアーロはとうとう武器を取った。
ふらりふらりとした動きでかわし続け、最後にはベルはスクアーロの腕にナイフを刺した。
スク「いってぇなぁ！！」
しかし、それによってスクアーロはベルの腕を思い切り掴むと、剣の柄で思い切り頭を殴った。
その一撃により、Aは脳震盪を起こして倒れこんだ。
＊＊＊
目が覚めると、そこは自室だった。
任務の途中から全くと言っていいほど記憶が無かったのだが、痛む肩や頭から俺は任務中に負傷をしたのだと気付いた。
すると、俺のベッドの横に、紙切れが置いてあった。
貴方「目が覚めたら、俺の部屋に来い…？」
紙切れはスクアーロからだと分かった。
俺は何かしたのだろうか。
まさか任務に失敗したとか！？
でも失敗したなら俺は生きてないか…
うーん。
なんなんだろう………
そう思いながら、俺はスクアーロの部屋に向かった。
ーーーーーーーーーー
ベルの狂気の理由、かなり捏造してしまいました。
すみません！！！
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ピクリン(プロフ) - 桜吹雪★さん» 本当だ！！ご指摘ありがとうございます！！ (2015年5月18日 21時) (
レス) id: 2a554c6a61 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪★(プロフ) - すいません。第四話でプリンス･ザ･リッパーのプリンスがブリンスになってますよ！ (2015年5月17日 22時) (携帯から) (レス) id: 3261f768b7 (このIDを非表示/違反報告)
ピクリン(プロフ) - 在り来たりなんて…！コメント貰えるだけで励みになります！！ありがとうございます！！ (2015年2月12日 17時) (レス) id: 057865812a (このIDを非表示/違反報告)
ろくむ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！、 （在り来たりなコメントですいません(。>д<)） (2015年2月12日 16時) (レス) id: 0f13d142e3 (このIDを非表示/違反報告)
ピクリン(プロフ) - 夢乃さん、感想ありがとうございます！是非これからも読んでいただけてら幸いです！！ (2015年2月6日 20時) (レス) id: 057865812a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピクリン酸 | 作成日時：2015年1月30日 15時
