5-3 葛藤 zm視点 ページ7
ポタリポタリと流れ落ちる涙はとめどなく僕の目から流れ落ちていく。
小さかったシミも大きくなり、灰色のズボンはどんどん黒くなっていった。
｢ぅっ…ぁ…っ！｣
押し殺しても零れてしまう嗚咽をどうにか飲み込もうとするも、叶わない。
僕は、何をしているんや。
まだ、彼女の返事を聞いていないのに決めつけて。
自分で彼女から離れているやないか。
…馬鹿野郎、意気地無しが！
お前の気持ちは、そんなもんだったんか？
ギリッと歯をくいしばる。
頭の中に響いた己自身の言葉に腹が立ったのだ。
｢ぅ…クソ…クソ…ッ!!｣
分かっている。
こんなことしていたって、彼女の気持ちが分かるはずも無いし、どうにもならないってことは。
それでも今は、この気持ちをどうにかしたかった。
この何とも形容し難い気持ちを。
この部屋に戻ってからどれくらいの時間が経ったであろうか。
すっかり目は腫れ、涙はもうほとんど枯れている。
グス、と鼻をすすって地面に座り込んでいる体を持ち上げた。
立った瞬間に立ちくらみがするが、気に留めはしない。
フラフラとする足取りでこの部屋の小さなシャワーへと向かった。
ザァザァと流れる水にただ当たる。
冷たい水で頭を冷やしたかった。
体温が下がっていくのを感じながら、その場に立ちすくむ。
水は冷たくて、こんな様の僕を突き刺しているようだった。
…彼女は、もう返事をしたんやろうな。
グルッペンと、笑ってるんかな。
キュ、と蛇口をしめた。
水で冷えた体の目元に温かいタオルを置いて横たわる。
じわりと広がる温かさに泣き疲れた僕の体は限界の様だ。
おやすみ、何処にかけたのか分からないその言葉はこの部屋だけに残っている。
パチリ、目を覚ませば目の腫れはほとんどひいている。
…良かった。これで、バレへんよな。
今の時間はもう昼近くだった。
…こんなに寝とったんか。
腹は減ったが、動く気がしない。
メイドにでも持ってこさせよう。
今は、ここから出たくない。
昼食をとり、ためていた資料を片す。
ゴキ、と全く動かない体は音を上げた。
それでも今は、この部屋に。
どれくらいたったであろうか。
流石に夜はシッマから声がかかった。
ゴツゴツと音を立てて食堂へと向かう。
少し早い気がするがまぁ良いだろう。
なんか、沢山食べたいわ。
『ゾムさんが食べている姿を見ていたくって…。』
いつか彼女が言っていた言葉。
…駄目や、考えるな。
重たい扉を開いた。
｢…あ？｣
｢ん？｣
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Riitter(プロフ) - 夢見りあむさん» 本名！？うおお、すごい偶然もあったものですね……笑 (2019年11月15日 21時) (
レス) id: 795b5e2765 (このIDを非表示/違反報告)
夢見りあむ - 作者さんの名前が私の本名で一瞬焦りましたw (2019年11月9日 23時) (レス) id: a454904879 (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - 紅葉秋さん» 生きがいだなんて…嬉しいです…!!お付き合いありがとうございました!! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉秋(プロフ) - この小説を読むことが生きがいでした...完結お疲れ様でした！！ (2018年10月13日 6時) (レス) id: 952224511f (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - みかんさん» あっあっ嬉しいです…!!ここまでお付き合いありがとうございました！ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riitter | 作成日時：2018年10月1日 19時
