4-15 何処に zm視点 ページ4
俺らの視線の先で少し緊張したように立つ着物姿のA。
…普段見ないその姿はとても可愛らしくて、綺麗だと思った。
｢…えっと、皆さん、今日はありがとうございました。皆さんのお陰で無事帰ってこれました！｣
そう言ってペコリと頭を下げる彼女。
その姿にええ子や…と誰かが漏らした声が聞こえた。ホンマそれな。
…あ、アカン、グルッペンに先に取られる。
ガタリと勢いよく席を立った。
みんなが見る中、そのまま駆け寄ってAの小さな手を取った。
｢A。｣
｢…はい、何ですかゾムさん？｣
頭を上げてフワリと微笑む彼女にキュンとする。
それを見破られないよう冷静に、僕も笑った。
｢…おかえり。｣
口から自然と出た言葉に、彼女は驚いた顔をしたが、それも直ぐに笑顔へと変わる。
心の底から嬉しそうな彼女に、体温が少し上がったようだった。
…その笑顔が、また見たかったんや。
｢ただいま！｣
優しく、明るい声が部屋に響いた。
それをきっかけに他のメンバーもワイワイと立ち上がって近寄ってきた。
元気になった？だとか変な事されて無い？だとか聞きたてる。
Aは一気に来たものだから戸惑っていたけれど、その顔は満更でもなさそうで、安心した。
それから数分はたって話していたが、誰が鳴らしたのか分からない腹の音で皆夕食を食べ始めた。
Aは、俺とオスマンの間に座ってモグモグと食べている。
｢…ハムスター…。｣
｢ん？なんれふ？｣
｢いーや？ゆっくり食べるんやで。｣
そう言えば他の奴らがザワッとする。
｢ゾムが、優しい…!?｣
｢おま、誰…!?｣
なんて言ってくるもんだから、そいつらには大量の唐揚げをお見舞いしてやった。
ニヤニヤしてその姿を見ていれば、これが食害…と顔を青くするA。
｢…そんな顔をされると、食べさせたくなるんやけど。｣
とか言ったらひえ…遠慮します、と苦笑いされた。
アカン、ますますしたくなったわ。
時は過ぎ、夕食を済ませた後。
生憎片付けの当番だった為、片付けを手伝いしていれば、いつの間にかAはグルッペンに捕まっていた。
…まぁ、仕方ないよな。
2人で笑う姿に少し心がズキリとした。
｢…グルッペン、何もせんとええけど。｣
ボソリと呟いたその言葉は騒がしい話し声に掻き消された。
30分位だろうか。
沢山あった皿を片付け食堂に戻ると、そこにグルッペンとAの姿は居なかった。
ひとらんに聞けば、2人で星を見に行ったのだそう。
…少し、胸騒ぎがする。
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Riitter(プロフ) - 夢見りあむさん» 本名！？うおお、すごい偶然もあったものですね……笑 (2019年11月15日 21時) (
レス) id: 795b5e2765 (このIDを非表示/違反報告)
夢見りあむ - 作者さんの名前が私の本名で一瞬焦りましたw (2019年11月9日 23時) (レス) id: a454904879 (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - 紅葉秋さん» 生きがいだなんて…嬉しいです…!!お付き合いありがとうございました!! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉秋(プロフ) - この小説を読むことが生きがいでした...完結お疲れ様でした！！ (2018年10月13日 6時) (レス) id: 952224511f (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - みかんさん» あっあっ嬉しいです…!!ここまでお付き合いありがとうございました！ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riitter | 作成日時：2018年10月1日 19時
