4-14 お迎え 主視点 ページ3
ポーンポーンと何かが鳴った。
｢…ふぁ…。あれ、今…？｣
あれ、私は今？
お風呂を上がり、用意してもらった個室に戻ったはず。
それで戻ってきた瞬間に私はベッドに横になってしまって…。
…あ。
ムクリと起き上がれば、少し乱れた着物。
それを直せば元通り。
皺はあまりなくて助かった。
音の正体は、どうやら置き時計のよう。
その短針は7を指していた。
｢…嘘、7時!?｣
寝過ごした！と焦った。
皆さんにお礼しに行かなきゃとベッドをおりる。
用意されていた下駄に足を入れ、出ようとしたその時だった。
｢…あ、Aさん起きた？｣
｢わっ、ロ、ロボロさん？｣
｢おー、覚えてくれてたんや。嬉しい！｣
開いたドアから覗く天の文字。
成人男性にしては小さめな身体にオレンジの和服を着込んでいる。
｢どうしたんですか？｣
｢えっとね、グルッペンに夕飯だから呼んで来いってね。｣
一緒に行こ〜と笑うロボロさんの体は楽しそうで輝いて見えた。
分からない間取りを1人で回らずに済むことに安心し、はいっ！と大きく返事をした。
カランコロンと下駄が鳴る。
西洋風な建物に似つかわないその音は廊下中に響き渡っていた。
｢…着物、似合ってるね。｣
｢えっ？あぁ、ありがとうございます。｣
｢はは、良かったわそれが役に立って！ひとらんと困ってたねん、女物かーって。｣
どうやらこの着物は東洋の貿易国からの頂きものらしい。
よくよく見れば一つ一つが細やかで見事な品だった。
そんなものを私着てたのか…。
｢っていうか、嬉しいわ。故郷みたいで。｣
｢…そうですか？うーん、黒髪だったら良かったんですけど…。｣
｢ふ、ええの！金髪も素敵や！｣
フワリと浮かんだ髪の下に見える無邪気な笑顔。
その無邪気な笑顔見ると、食事中のゾムを見ているようだった。
その笑顔に顔は自然と綻んだ。
｢着いたで〜｣
｢あ、ありがとうございます。｣
｢いーえ、まだ何回かしか来てないやんな？何も教えられなくて困ったやろ。｣
…見過ごされてたのか。
私は、その言葉に頷くと再度お礼を言った。
ロボロさん、良い人。
ロボロさんによって開かれた扉から盛れ出す賑やかな声。
そのほとんどが聞き覚えのあるものだった。
｢スマン、遅なった！｣
と彼が言いながら入れば、一斉に視線が集まるこちらを向いた。
その勢いの良さに少しびっくりするが、カランと鳴った下駄で現実に引き戻される。
部屋の中に入って、皆さんの前に立った。
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Riitter(プロフ) - 夢見りあむさん» 本名！？うおお、すごい偶然もあったものですね……笑 (2019年11月15日 21時) (
レス) id: 795b5e2765 (このIDを非表示/違反報告)
夢見りあむ - 作者さんの名前が私の本名で一瞬焦りましたw (2019年11月9日 23時) (レス) id: a454904879 (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - 紅葉秋さん» 生きがいだなんて…嬉しいです…!!お付き合いありがとうございました!! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉秋(プロフ) - この小説を読むことが生きがいでした...完結お疲れ様でした！！ (2018年10月13日 6時) (レス) id: 952224511f (このIDを非表示/違反報告)
Riitter(プロフ) - みかんさん» あっあっ嬉しいです…!!ここまでお付き合いありがとうございました！ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 8401485740 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riitter | 作成日時：2018年10月1日 19時
