運命的恋愛【坂田銀時】

運命11 ページ11

『な、なんでここにいるの…』





目の前の悪魔を睨みながら言う





「家に帰る途中でさ、Aに似た子がいるなーって思ってみたら見事ビンゴ。すげーな俺達、運命の赤い糸で繋がってんじゃね？」





ふざけろよ、なんで店以外で腐れ天パと会わなきゃいけないの


運命の赤い糸？そんなの本当にあったら引きちぎってやる





『…私は今幸せを味わってんの。だから消えて』





そう言うがこの男は帰らず、私の隣に座る





「団子好きなのか？」





『…教える必要ないでしょ』





「ここの団子うめーよな、あっ！おばちゃん、俺にもみたらし２本くれや」





『……あんたもここ良く来るの？』






感違いしないでほしい、別にこいつと話がしたくて話しかけたわけじゃない
この天パがここの団子美味いって言うから聞いてみただけ。ただそれだけ





「あぁ良く来るぜ、ここみたらし団子も最高にうめぇけど…知ってっか？裏メニューがある事」





『あんたも裏メニュー知ってるの！！？』





「あ？もしかしてAもか？」





『うん！マジか、こんな所に知ってる人が居た何て！！』







ここの団子屋の裏メニューは常連の中でも亭主が認めた甘党でなければ頼めないメニュー

その名も‟みたらし団子和風ビックパフェ”



ここの名物でもあるみたらし団子と、亭主オリジナルの和風パフェをミックスさせた極上のスイーツだ





「あれうめーよな。高ェから滅多に頼めねぇけど」




『あの生クリームとあんことみたらしのタレの絶妙なハーモニーがまた素晴らしくて…考えただけでも涎が…』






「分かる、あのバランスの良さが良いんだよな、あれはここの亭主じゃなきゃ作れねーよ」





『ですよね！！いやー初めて分かり合える人に出会いましたよ！！貴方じゃ無ければもっと嬉しかったんですけど……って何ニヤニヤしてるんですか』





「いやー、初めて俺の前で笑顔見せたなーって思ってよ」





『なっ…！？』



なんだそれ！！
確かにこいつの前だといつも怒鳴っていたけど、私だって笑う時くらいある



彼は私の顔をジロジロと見ると、今度はいつものニヤリとか言う黒い笑顔じゃなくて優しくフッと笑って





「いつものAも可愛いけど、笑ってるAの方が何倍も可愛いわ」





なんて言ってきた

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