１７.刺激的な朝 ページ17
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「ったぁ…」
眼が覚めると、久し振りの、
ヒドイ頭痛に襲われて
あぁ、二日酔いだ、と悟る。
あれ、私、二宮さんは…？
周りを見回すと、
「え…？」
ここは、私の部屋ではなくて、
隣に居るのは、
紛れもなく、二宮さん。
フンワリと鼻を霞む二宮さんの香りが
いやでも、わかる。
好きな匂い。
…じゃなくて。
私、なんで…？
昨日は二宮さんと一緒に飲んでて、
トイレに行って…
あれ？そこからが思い出せない。
ちょっと待って、服・・・着てる。
それも、仕事着のまま。
待って、今何時？
「なんだ…まだ６時…」
こんな朝に目覚めたのは久し振りだった。
どうしよう、
一旦帰ってシャワー浴びたいし、
でも、私が動いたら、二宮さん、
起きちゃうかなぁ…？
はぁ〜…
とんでもない、大失態。
記憶がないと言うのが、一番、怖い。
あの後、二宮さんが担いでここまで…？
私、重くなかったかなぁ…
それに、バーの人にもマスターにも見られただろうしうわぁ…最悪だ…
・・にしても、綺麗な部屋。
寝室、と思われる此処は
最低限のものしか置いていなくて
でも、本棚にはズラリと本が並んでいる。
へぇ…こんなに本読むんだ…
「んぅ…いま何時？」
トロンとした瞳の二宮さんが
すこしだけ目を開けて私に訊く。
か、可愛い…
「二宮さん、ごめんなさい。私、昨日…」
「なーんーじ。」
「え？あ、六時です。」
「今日何時出勤なの。」
「十時ですけど…」
二宮さんの求める返事を聞かれるがまました。
二宮さんは私が謝ろうとすれば、
その話はいいから、と言うように
何時か、何時出勤か、なんて
急かすように訊いてきて。
「じゃぁ八時までー。」
二宮さんはスマホで目覚まし時計をセットすると
起き上がる私の腕をグイッと引っ張って
ストン、と体がまたベッドに逆戻り。
「二宮さん…？」
目の前には二宮さんの顔があって
頭の下には二宮さんの腕があって
その腕は、私の腰に纏わり付いている。
抱きしめられてる…
鼓動が二宮さんに聞こえてる気がして
必死で落ち着こうとした。
綺麗な寝顔をジッと見つめていたら
急にその目が開かれて
ぎゅぅ、って心臓が鳴る。
「・・誘ってんの？」
色っぽく言うと二宮さんは
私の腰を自分の方に引いて更にきつく抱きしめられる。
なにこれ、むり、ドキドキする。
朝から刺激的だし二日酔いは酷いし
眠ろうにも眠れなかった。
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作者名：べに | 作成日時：2017年2月24日 8時
