二十三話 ページ23
『いいよ、一二三。……ほら、独歩。』
「えっ、あ、あー…?」
神羅は笑ってそう言うと独歩に餡と卵と米を盛った蓮華を差し出す。要はあーん、だ。
「!うまいな。辛さが少なくなって……今のお前に丁度いいかもな。」
『…うーん、かなぁ。今は辛いのは食べるの少し…難しいからね。』
もぐもぐと独歩は味わって食べると少し目を輝かせて言った。
「わ、私も…気になるな…」
『?先生も食べますか?……はい、どうぞ!』
「え、あ、ありがとう…(どうしてもこうなるのか…)」
寂雷は小さな声でそう言ったが対面の神羅には聞こえていた様で、また同じように蓮華ですくって差し出す。蓮華よ、代われ。
「えー、センセーと独歩ばっかずるーい!作ったの俺っちー!俺っちも神羅にあーんされたい!!20年間一緒に居てあんまされたことないのに!!」
「えぇ……神羅、してやれ……」
バンバンと行儀悪く机を叩きながら一二三は激しく癇癪を起こした。独歩は呆れて隣の神羅にそう言った。
『え、う、うん。おいで、一二三。』
神羅は戸惑いながら、立ち上がることができないので一二三を手招きする。
「!やったー!」
先程までの不機嫌は何処へやら、すぐに立ち上がるとたたたっと神羅の元へ行く。
『ほら、口開けて。』
同じように蓮華ですくって差し出すとまだ口を開けてない一二三にそう言う。
「あー…ん…うん、流石俺っち、美味い。神羅にあーんされると……なんか、三倍くらい美味しく感じる……何だろ…」
ペロリと唇についた餡を舐めとると一二三は自画自賛すると共に神羅も褒める。
『そんなに、言われても……こ、困るからね……』
「あれ、神羅照れてる?照れてるの?ねぇねぇ神羅ー?うりうりー」
『ひ、一二三、やめ、ちょ、た、食べれない……』
顔を背けた神羅に一二三はちょっかいを出し、頬をツンツンと突き始める。
「こら一二三…やめろ……ちょ、危な…………一二三ィッ!!」
「やっべ独歩ちん怒らせちった!」
一二三が動くことにより独歩にぶつかり、持っている茶碗を落としそうになったので一旦避難させると独歩はそう声を荒げた。
「やっべじゃねぇ…!神羅もはっきり断れ!それくらいじゃ此奴の鋼の精神は少しも傷つかないから!!」
『う、うん、わ、わかってるんだけどね…あ、あはは…………ごめん…』
「うぇー、ひっどぉ……俺っちそんな扱いー?」
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伏見桜(プロフ) - ちょっと待ってもう50話??????????ポッセ描いてたのにこれに気付いてタッチペン投げてしまった……。これも一重に皆様が読んでいただいておりますお陰です。誠にありがとうございます。 (2020年5月6日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 水月さん» ありがとうございます!!お久しぶりでございます、まだまだ終わりは見えませんがいつでもフルスロットルで頑張らせていただきます! (2020年5月1日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - お久しぶりです!続編も見させて頂いてます!これからも更新頑張ってください! (2020年4月30日 4時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 時神さん» ありがとうございます!!常に散々な目に遭う主人公ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
時神(プロフ) - たまたま見かけてシリーズ一気読みしました……すごい好きです更新頑張ってください!!!!! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伏見桜 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月16日 1時