十二話 ページ12
「……痛むか？」
『昔に、くらべ、れば……全然……』
「痛むんだな。服……どうしようか…俺っちのはデカ過ぎて…」
一二三は優しく濡れた神羅の肌を拭きながらそう言った。今は髪を解き、上裸で肩からタオルを掛けて車椅子に座っていた。
「お、君が一二三ちゃんの知り合いの神羅ちゃん？」
「お、オーナー！？な、何で此処に…」
後輩は他の仕事をしているのか、突然一人で更衣室に入ってきた歳を増した男性が一二三の横から神羅を見ていた。
『っひ……！！』
「か、神羅、大丈夫だ。俺っちの事も知ってるから、良い人だからな。」
突然現れた事に恐怖心が煽られたのか一二三の服にしがみ付き涙を目に浮かべ始める。
一二三こと、というのは女性恐怖症の事だろうか。
「おっと、ごめんごめん。
「…それならそうと最初から……あーほら、大丈夫だから、泣くな泣くなー。よーしよし、俺っちが居るからな。……そうだぞー。」
腰に抱きついている神羅の頭を優しく撫でながらオーナーと呼ばれる男と会話をする。もう限界だったのかぐすぐすと泣き始めてしまった様だ。
巴琉、というのは先程の後輩の名前だろうか。
「……ふぅん…………その子、ホストやらない？」
「……え…？……いや、でも神羅は人間恐怖症ですし……今怪我してるし……」
「…怪我？」
オーナー直々にまさかのスカウトであった。一二三に抱きついて居るがその前の少しの隙間から神羅の顔の美しさを見極めたようだ。流石、というべきだろうか。
「はい。此処に来る前に厄介なのに絡まれたらしくて……何掛けられたんだっけ。」
『ッこ、珈琲……熱い、の……』
「……らしいです。それで着る服がなくて…」
「やった人は？」
「えっと、覚えてないらしくて。俺は多分これから来るお客さんが知ってると思うからついでに聞こうかな、と……」
「……………………。」
「お、オーナー…？？」
一二三は突然怒った雰囲気で押し黙ったオーナーにたじたじになりながら声をかける。
「こんっっっっな美の原石に傷付けるとかふざっっっっけんなよクソ野郎ッッ！！」
「『！？！？』」
オーナーはそう言ってドスの効いた良い声で叫ぶ。それのせいで他の準備をしていたホストも四名程やって来てしまう。
『っひ……人、人、や、やだ……一二三、一二三…！』
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伏見桜(プロフ) - ちょっと待ってもう50話？？？？？？？？？？ポッセ描いてたのにこれに気付いてタッチペン投げてしまった……。これも一重に皆様が読んでいただいておりますお陰です。誠にありがとうございます。 (2020年5月6日 2時) (
レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 水月さん» ありがとうございます！！お久しぶりでございます、まだまだ終わりは見えませんがいつでもフルスロットルで頑張らせていただきます！ (2020年5月1日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - お久しぶりです！続編も見させて頂いてます！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月30日 4時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 時神さん» ありがとうございます！！常に散々な目に遭う主人公ですがこれからもよろしくお願いします！ (2020年4月20日 11時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
時神(プロフ) - たまたま見かけてシリーズ一気読みしました……すごい好きです更新頑張ってください！！！！！ (2020年4月20日 11時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伏見桜 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月16日 1時
