六十話、いざシブヤへ ページ10
「ま、近いから。大丈夫っしょ！」
そう言ってスマホをトートバッグに仕舞うと帽子を被り直す。
彼の目立ち過ぎる顔をあまり目立たせないようにする為には帽子でも被らねばいけないのであった。
服装はパッと見黒のパーカーに黒のズボンだが実は下に(ジャケット以外の)スーツを着ていた。これで何かあっても大丈夫、ということだろう。
何故そこまでするか…というと神羅の方に人間がもし集まってしまってもGIGOROで引き剥がして逃すことが出来るからである。無ければ良い話ではあるが。
『…うん、でも、シブヤ、大丈夫、なの…？』
「？なんで？」
『仲、悪、い…って、聞いた……』
「あー…俺っちは別に気にして無いからなぁ…ま、そもそも人混みが酷いところは行かないから、会えないって。」
『……なら、いい、んだけど……』
神羅はフードを被ったままチラリと一二三を観てそう言った。俗に言うフラグ、と言うものを立てたが…はてさてどうなることか。
「…で、これを＿＿…ｯ…神羅……！」
『……ぁ、ひ、ふみ……た、すけ……』
「は、離れるぞ！」
なるべく人の居ない住宅街を歩いていた二人だが突然近くで聞こえ始めたヒプノシスマイクの起動音、そして明るく良く通る聞こえる伝わるあの声。
Fling Posseの飴村乱数の歌声が近くから聞こえて来たのだ。
気付けば遅く、神羅は膝から崩れ落ち、頭を抱えていた。支えながらどうにかその場を離れて裏路地に入ると座らせる。
「少しは、落ち着いたか…？取り敢えずはい、水。ちょっとずつ飲みなよ〜」
『ご、ごめ、ん、あり、がと…………』
「(やっぱりまだ早いかぁ……そもそも外出し辛いもんな、ヒプノシスマイクなんて割と結構色んな場所で起動されてたりするし…早めに帰るか。)神羅、この後は____」
痛みで溢れる涙を抑えながら一二三から水の入ったペットボトルを受け取ると言われた通り少しずつ飲み始める。
無事シブヤには着いたが早々に神羅は移動不可となってしまい休んでから帰るつもりのようだ。
だがその場に先程の声の主がやってきてしまった。
「あれ、寂雷のジジイのとこのじゃーん！誰かと思った〜……ってそっちの子は？」
「！飴村乱数……そっちこそ、なんで俺っち達追ってきたんだ？」
「いやー、僕に喧嘩を売る度胸のある奴が居てね。でも途中で逃げられちゃって。そっちの方角に来たんだよ〜！」
「…あっそ、俺っち達はしーらない。」
「うーん、おっかしいなぁ…こっちの筈なんだけど…」
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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます！少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします！ (2020年4月6日 7時) (
レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去？がわかった瞬間驚愕しました！いつも応援してます！ (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伏見桜 | 作成日時：2020年4月4日 11時
