七十六話 ページ26
「…成る程、それで従ったけど千堂神羅をそのまま連れて行ったので暴れた結果……というわけですか。」
「そっのとーり!んで………………げっ、独歩…」
幻太郎は腕を組み、少し呆れたようにそう言った。一二三がそれを肯定した辺りで乱数の家にインターフォンの音が鳴った。カメラ越しに相手を見れるので近くにいた一二三が見るとそれは息を切らした観音坂独歩であった。
「お、いらっしゃーい、上がっていいよー」
「ッ、お邪魔しますッ!
…一二三、神羅!……無事でよかった……」
「いっ、たたた……独歩、力強い、痛いって、首、首、俺っちの首絞まってるから…!無事だけど無事じゃなくなっちゃう……!!」
『…っぐすっ……独歩…!!』
「ちょ、神羅っち、俺っち助けて、ホント、落ちるって、落ちるから……!独歩ーー!!」
急いで靴を脱いで早口に言うと一二三と神羅に抱きついて安心したようだ。
「あ、す、すまん、悪い、一二三……」
「あー、ビックリした…大丈夫、俺っちは元気だよ〜。」
『…ね、独歩、なんでこんな早く……』
「死ぬ気で終わらせてきたからだよ……!!お前らが、誘拐された、怪我したってそこの飴村さんから来たんだよ!!無事って聞いたけど心配だから来たんだよ!!……っはぁ…本当、無事でよかった…………」
独歩も落ち着いたのか、二人から離れると一二三に謝る。神羅は突かなくていい藪を突き独歩の怒りの塊を出してしまった。
『っひ……ご、ごめん、なさい…………』
「独歩〜、あんまり二人を怒らないで〜、ボクのせいでもあるんだからさ!」
「……いえ、でもありがとうございます、お陰で大きな事も起こらず無事に……」
「いや、言いにくいんだけどね?ボクそのおっきな事ちょっとやっちゃったんだ〜!」
「………………はい?」
乱数はきゃはっと笑いながら明るくそう言った。
「筋を切ったーとかじゃないけど神羅が歩けなくなっちゃってね、取り敢えず寂雷のジジイに診せればわかるだろうけど……」
『ど、独歩、飴村さんのせいじゃないから、僕が、いけなかっただけだから、怒ら、ない、で…!』
「そ、そうだよ独歩ちん!俺っちがしっかりしてなかったのもあるし…」
「………………はぁ…わかりました。神羅は当分家事禁止な。車椅子……買うか?」
『えっ、あっ、いや、その、独歩……?』
「車椅子は上げるよ〜、ボクからの贈り物、ではないけど。ボクのせいだから、……ね?」
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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます!少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします! (2020年4月6日 7時) (レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去?がわかった瞬間驚愕しました!いつも応援してます! (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伏見桜 | 作成日時:2020年4月4日 11時