六十八話 ページ18
『ッ…………っと……えと…あの………』
グイッと顔を近づけられた神羅は戸惑い視線で一二三に助けを求める。
「…ほら、神羅っちはいいってさ〜？神羅は優しいからハッキリ断れないだけで会う必要はないって。」
「へぇ〜、ボクそんな風には見えなかったけどなぁ〜？何、寂雷のジジイどういう躾してるわけ？他人の意見を勝手に決めさせるなんて。」
「センセーは関係ないだろう。」
「あるよー。だってあんな奴でも君達のリーダーなんだし。」
『ぁ、ぁあの……えと、ぼ、僕、あい、ます会います、から、その、や、やめ、て……くだ、さ、い……！』
神羅を挟んで一触即発な雰囲気の乱数と一二三は、今にでもヒプノシスマイクを取り出しそうであった。が、神羅の必死の声でそれは無くなり、乱数は上機嫌に電話をし始めた。
「あっ幻太郎ー？ボクだよボクボク！詐欺じゃないよ、電話だよ！……あ、帝統も一緒？あのねー、会わせたい子が居るんだ〜、うん、だからさ……」
「……はぁ…神羅、嫌なら嫌ってハッキリ言っていいから……」
『……ご、ごめん、一二三……』
「まぁ多分シグマ…じゃないや、乱数も強制的だったんだろうけどさ〜……」
『…うん……先生と、独歩…大丈夫、かな……さっき、独歩にも送るって…………びっくりしないかな……』
「大丈夫っしょ。寧ろ独歩ちん、心配して早く仕事終わらせて帰ってきそう。」
『だ、だといいんだけど……』
一二三はしゃがんで、車椅子の肘置きに腕を乗せて神羅を見上げる形で話を始めた。乱数の電話は予想以上に長くなったようで、最終的に二人共今日の夕食の話を始めた。
「ごめんごめん！幻太郎達も近くに居るって言うから早く行こうか！」
「ん、りょーかい。俺っち達其処いっても大丈夫〜？」
「……あー…多分？」
「……多分……」
「ま、大丈夫大丈夫！最悪あっちから来てもらうから！」
乱数はプリクラの印刷された写真を取ると二人に謝り、階段を急いで降りる。一二三は流石に乱数に任せるのは怖いようで終始神羅を持ち上げていた。
案の定人混みの多い所に出た為、一二三は慌ててトートバッグからジャケットを取り出すと神羅に被せる。これで少しは視線が気にならなくなるだろうと思ったからだ。
『ひ、一二三、ごめ、あ、あり、がと……大事な、もの、なの、に…』
「気にすんな、大丈夫だからさ。」
神羅は涙ぐみながらジャケットを深く被ると、車椅子の車輪の音で消えそうなか細い声で感謝を述べる。
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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます！少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします！ (2020年4月6日 7時) (
レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去？がわかった瞬間驚愕しました！いつも応援してます！ (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伏見桜 | 作成日時：2020年4月4日 11時
