愛してほしいと叫んだのは、

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「ママー！みて！ぼーるあてれた！」

「あ！恒星、上手だね」

あの日授かった命は8月で6歳になろうとしていた。

私もそれなりに歳をとってもう今年で29歳になる。



大谷くんと会わなくなって6年は経つかな。
大谷くんのメジャーでの活躍はネットの記事やニュースでよく目にする。夢を叶えた大谷くんを見てとても嬉しかった。




…大谷くんは岩手に帰ったりはしてるんだろうか。






私は岩手を離れて5年になる。


その間にお父さんが病気で倒れて、去年この世を去った。
妊娠した時、ぶつかり合ったお父さん。

恒星が産まれて実家にいた時はとても恒星を可愛がってくれていた。


あの時のことを謝らないといけないと自分でも分かってはいたけどなかなか言い出せなくて、最期まで謝れなかったことを今でも後悔してる。








今は静岡で日本語教室の講師のバイトをしながら息子の恒星と共に生活している。






今でも鮮明に思い出す大谷くんとの日々。



あの出会いがなければ私はここまで強くはなれなかった。自分の夢が背中を押すものでなく足枷になって、他人の顔色ばかり伺って早々に夢を諦めていたかも知れない。


大学は中退したけれど後悔はない。




隣で野球ボールで遊んでいる恒星を見ながらふと思う。

うーん、顔は私に似てるかも知れない。性格は完璧大谷くん似かな、うん。



例えば、全然人見知りしなくて色んな人に話しかけてしまうところとか。
この前はアパートの駐車場にいた猫になにしてるんですかって聞いていた。猫もびっくりしただろう…。

いつか知らない人について行ってしまうんじゃないかってヒヤヒヤしている。


幼稚園の先生からは恒星くんは皆に優しくて可愛いから男の子にも女の子にもモテモテですよ！って言われた。




小さなところで感じる大谷くんの遺伝子。











子育ては確かに大変だけど、

すくすくと元気いっぱいに成長する我が子を見てたまらなく嬉しかった。

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