chapter 58 ページ8
*
部屋を出てとりあえず食堂に向かう。
時計を見ると、すでに朝と言うより昼に近い時間。
(何か食べるもの残ってるかな)
だらだらと歩いていると玄関に2つの人影。
逆光なのと、メガネもコンタクトも付けていない今の俺には
誰の姿かまったくわからなかったけど、
ふわ―――
長いスカートが風に揺られながら消えていったのだけはわかった。
「………」
さっきの、誰だったんだろう。
そのままぼーっと眺めていると
残っていた方の影が振り向いて、少しびっくりしたように笑った。
「祐希、起きたんだ。いつからいたの?」
「…あ、山内さんだった」
「ん?うん。―――あ、もしかして裸眼?」
「そう。あと逆光で見えなくて」
ああ―――。
そう言って外を振り返り、また俺を見る。
「惜しかったね」
「?―何が?」
どちらからともなく自然と食堂に向かう。
「ちょうど今出かけちゃったんだよ」
「?」
「Aちゃん」
「、え!」
「スカート履いて」
「え!!!」
さっき消えていったあの影はAさんだったんだ!!!
今歩いてきたばかりの廊下を振り返る。
何でもっと早く起きないんだよ俺!
ああでも、夢にAさん出てたから…。
でもAさんのスカート姿見たかった!
一人わたわたする俺を見て山内さんは笑う。
「何度も起こしに行ってくれてたんだよ」
「えええっ!?」
じゃあ、あれは―――
(夢じゃなかった!俺、変態じゃなかった!)
(イヤそれはどうかな)
(え!)
(うん、それはどうだろうな)
(健太郎さんいつからいたの。黙って)
*
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Yuri(プロフ) - KANNAさん» コメントありがとうございます(*´ェ`*)笑っていただけました??キュンキュンしていただけました??(;▽;)嬉しいです!!個人的に健太郎さんのギャグパートが書いてて楽しかったです。笑 お気遣いと労いの言葉にも救われる思いです…ありがとうございます( ; _ ; ) (2016年6月12日 16時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
KANNA(プロフ) - キュンキュンもして・・・本当に楽しい作品です!お仕事の合間で負担になるかもしれませんが、もしまた新しいストーリーを書いて下さったら飛びついて読みます!笑 最高です!お疲れ様でした(*^^*) (2016年6月12日 15時) (レス) id: 35cc4c3b7c (このIDを非表示/違反報告)
KANNA(プロフ) - 読ませて頂きました。ストーリーもそれぞれの考えや言葉も本当に素敵で声に出して笑うこともあれば、 (2016年6月12日 15時) (レス) id: 35cc4c3b7c (このIDを非表示/違反報告)
Yuri(プロフ) - じじさん» コメントありがとうございます(;▽;)イキナリでも予告ありでもなんでも構いません!!嬉しいです!!(;▽;)幸せに…なってもらえたなら本当に、作って良かったなぁ!!って思います。ありがとうございます。 (2016年6月11日 3時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
じじ(プロフ) - 初めまして。全部読ませてもらいました!とっても感動し、幸せな気分を味わえるお話でした(*^ω^*)作者さんの書き方?描写?がとっても好きです!!次作とか作る予定があればぜひ楽しみにしています゚(゚´Д`゚)゚。いきなりコメントしてすみませんでした(><)笑 (2016年6月11日 1時) (レス) id: 0114c047a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuri | 作成日時:2016年1月9日 0時