chapter 61 ページ11
*
バーーーン
バーーーン
「祐希、」
いつも通りの体育館で、
「サーブ、ちょっと打ってくれない?」
いつも踊りの会話。
「―うん。いいよ」
「最近、サーブ良くなってきてる」
「そんな。簡単に取っといて。笑」
「いや、簡単じゃないよ。笑」
「えぇーーー?」
*
―――あの後。
(何言ってんだろ…俺)
わざわざ
マサさんを焚きつけるような真似なんかして。
思わずため息が出そうになる口を、ギリギリと噛み締める。
(最近、こんなのばっかだ)
くそ。
鼻をかくフリして、チラと横を見る。
―――どうだろうな
「………」
マサさんはそう言ったけど。
Aさんへの気持ちが真剣なものだって、
恋愛に疎い俺にだってわかる。
頬杖をつく横顔からは、マサさんが何を考えてるのか
理解することはできなかったけど―――。
*
あれからマサさんに特に変わった様子はない。
俺の宣戦布告が相手にされていないのか、
それとも本当に告白するつもりがないのか。
…いや、それはないか。
「…なに?笑」
「うらめしいなーって。笑」
やべ。
見過ぎた。
「柳田―!ちょっといいかー」
「、はい」
ごめん。
一言俺に断って、足早に駆けて行く後姿。
「…ふうっ」
なんにしても、だ。
マサさんがもしAさんに自分の気持ちを伝えるなら、
もしくは伝えたなら。
きっと俺にも何かしら言うと思う。
そういう人だから。
それに、俺が向かうのはマサさんじゃなくて―――
「Aちゃーん」
「はーーーい!」
ただ一人。
*
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Yuri(プロフ) - KANNAさん» コメントありがとうございます(*´ェ`*)笑っていただけました??キュンキュンしていただけました??(;▽;)嬉しいです!!個人的に健太郎さんのギャグパートが書いてて楽しかったです。笑 お気遣いと労いの言葉にも救われる思いです…ありがとうございます( ; _ ; ) (2016年6月12日 16時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
KANNA(プロフ) - キュンキュンもして・・・本当に楽しい作品です!お仕事の合間で負担になるかもしれませんが、もしまた新しいストーリーを書いて下さったら飛びついて読みます!笑 最高です!お疲れ様でした(*^^*) (2016年6月12日 15時) (レス) id: 35cc4c3b7c (このIDを非表示/違反報告)
KANNA(プロフ) - 読ませて頂きました。ストーリーもそれぞれの考えや言葉も本当に素敵で声に出して笑うこともあれば、 (2016年6月12日 15時) (レス) id: 35cc4c3b7c (このIDを非表示/違反報告)
Yuri(プロフ) - じじさん» コメントありがとうございます(;▽;)イキナリでも予告ありでもなんでも構いません!!嬉しいです!!(;▽;)幸せに…なってもらえたなら本当に、作って良かったなぁ!!って思います。ありがとうございます。 (2016年6月11日 3時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
じじ(プロフ) - 初めまして。全部読ませてもらいました!とっても感動し、幸せな気分を味わえるお話でした(*^ω^*)作者さんの書き方?描写?がとっても好きです!!次作とか作る予定があればぜひ楽しみにしています゚(゚´Д`゚)゚。いきなりコメントしてすみませんでした(><)笑 (2016年6月11日 1時) (レス) id: 0114c047a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuri | 作成日時:2016年1月9日 0時