29*透明な線*S ページ29
.
「……元々、父さんは俺に櫻井家を継がせる気はなかったんだ」
「……嘘…」
「ホントだよ。
３年前の今日、父さんが俺を部屋へ呼んだ。
そこで、俺に忍になれと、言ってきた」
雨はぽつぽつとやみ始めていた。
「…なんで断らなかったんだよ」
「……俺が断れば、翔くんを忍にするって…。
翔くんに…辛い思いはさせたくなかったんだ」
やっぱり……貴方は優しすぎるよ。
俺なんかのために…自分を犠牲にして…。
「俺的にも、後継ぎは俺なんかより翔くんの方がいいと思ったんだ。
俺…馬鹿だしさ。なんにもできねぇから」
「そんなこと……ないっ…」
「いんや、俺なんかは捨て駒みたいなもんなんだよ…」
「違うッ…！智くんは……いつも俺の憧れだったんだ！！
頼むから……そんなこと言わないでくれよ……」
翔くん……と小さな声で智くんが呟いた。
いつも…智くんは俺の上を行っていた。頭が悪い、そう言ってもいざという時の機転の利かせ方は俺よりも遥かに上だった。
そんな智くんが、俺は大好きで……憧れだった。
「……ありがとう……。翔くん。俺……翔くん大好きだわ」
「…俺もだよ、智くん。智くんは俺の自慢の兄貴だから」
うわ、恥ずかしい
なんて隣で言っているニノも、顔は笑顔で。
潤も雅紀も微笑んでいた。
「……俺、疲れたから……ちょっと寝るわ」
「…そうだね。傷……早く治してよ」
そう言って、横になった智くんの頬に…
.
透明の線が、伝った。
そんな気がした…。
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けい(プロフ) - やまっこ さん» はじめまして！お返事遅くなってしまい、ほんとうに申し訳ないです(; ;)続編のほうは、まだ下書き中で公開しておりませんので気長に公開を待っていただけると嬉しいです( ´艸｀)コメントありがとうございました！ (2013年11月2日 18時) (
レス) id: 7a8341a733 (このIDを非表示/違反報告)
やまっこ - はじめまして！小説おもしろかったです♪続きが見たいんですけどパスワードを教えてもらるのは可能ですか？(´・ω・`) (2013年9月17日 19時) (レス) id: ebf13fa235 (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - mekさん» ありがとうございます！mekさん、本当に何度もコメントありがとうございました！いつになるかは分かりませんが、絶対に書きたいと思ってます♪ (2012年11月7日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 璃依さん» ありがとう！うちも璃依の小説、続き楽しみにしてるよ♪続編、いつになるか分からないけど待っててね！ (2012年11月7日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
mek(プロフ) - 完結おめでとうございます！
続きあるって聞いてすごい嬉しいです♪楽しみにしてますっ (2012年11月5日 0時) (携帯から) (レス) id: ab2cff4358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：けい | 作成日時：2012年10月21日 11時
