ピアス (ページ24)

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告白ページ24

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みんなが緊張気味に見守る中、

1位だったのは

『紫耀…』

サラサラな黒髪をかきあげ

腰に手を当てる紫耀は

間違いなく、1位の人が並ぶ列にいた。

＿やば！あの永瀬廉を抜かすなんて…

＿平野くんどうなってんの？

＿やばい…あれは人間じゃないよ！

みんなが騒然とする中、廉の方を見ると

明らかに悔しそうな表情をしていた。

まるで何かに負けてしまったかのように。

「平野くんが勝った！…A？」

『ん…あ、ああ！ね！紫耀が勝った！』

「なんでぼーっとしてんの？ほら！退場だって」

なぜかわからないけど

私の頭は真っ白になっていた。

慌てて気を戻すと

選手の人たちが退場門から出てくるのが見える。

ちゃんとお疲れ、って言わなきゃ。

『あ、紫耀！お疲…』

紫耀「A。ちょっとこっち来い」

最初に来た紫耀に声を掛けようとすると

手を強く引っ張られた。

『ちょっと！紫耀…？』

何を言っても紫耀は答えてくれず

ただ前を向いて私の腕を引き、歩くだけだった。

そうして連れてこられたのは

体育館の中だった。

全校生徒が校庭にいる中、

体育館にいるのはもちろん私たち2人だけだ。

窓の外を見れば

閉会式の準備を始めるみんなの姿があった。

紫耀「…Aに言いたいことがあって」

息を切らし、疲れたような顔でそう言う彼は

いつもとは違い、余裕が無かった。

『話って…？』

そして、2人だけの体育館は

なぜかやけに大きく感じた。

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