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風斗 「今までは有名な作品だし、しっかりと台本通りに演じないとって思ってた。正直、役づくりだっていつも以上にやったはずなのに監督からは微妙な反応しか返ってこなくてイライラしてた。
Aの【ジュリエット】だって凄い出来てるのに、しっくり来ないて言われて。
でも筋肉バカの言う通り、もちろん『ロミオとジュリエット』って作品を観に来る人もいるけど、俺やAを見たくて来る人からしたら、今の出来栄えは想像の範囲内で終わってるのかも」
拓眞・A 「……」
私はいまいち風斗くんの考えている事が分からなくて眉間に力が入った。
風斗 「絶対今のでわかってないでしょ。つーまーりー、お互いロミオとジュリエットに成り切ろうとし過ぎてた訳。俺らしさとか、Aの良いところまで殺してたってこと!わかった?!」
A 「はいっ!わ、わかりました!!」
私は風斗くんの勢いに押され、反射的に大きな声で返事をした。
拓眞 「折角だからさ、シミュレーションしていきなよ。稽古場では出来ないでしょ?ここならイチャイチャし放題だぜ!」
『イチャイチャ』という言葉に戸惑っていると、風斗くんは『んじゃ、お言葉に甘えて〜』と私のすぐ隣にすわり直した。
そして、私の両肩をそっと掴み身体ごと風斗くんの方に向かせた。
そのまま何もせずただ見つめられ、さすがに恥ずかしくなり目を逸らそうとすると『こっち見て』と静かに呟いた。
今まで聞いた事がない色気のある言葉に、自分の脈が速くなるのを感じた。
風斗 「これだけで照れてたら、本番やばいんじゃない?」
拓眞 「初々しくていいじゃん!風ちん、俺もやりたいから交代して〜」
風斗 「は?アンタ関係ないじゃん」
A 「ちょ、一回、一回休憩させてください!」
風斗 「はいはい」
拓眞 「んじゃ、お茶でも飲む?美味しいチョコもあるんだけど食べるよね?」
休憩を挟んで再び始まった『イチャイチャ』は、いつの間にか武据さんも加わり、魅せ方など本格的な練習になっていった。
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春妃(プロフ) - こんなに面白い作品は久しぶりです!気づいたら一気読みしてしまいました!更新を楽しみにしてますが無理はせずに頑張ってください(* ´ ▽ ` *)応援してます! (2019年10月14日 6時) (レス) id: 37086665c7 (このIDを非表示/違反報告)
かちゅ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年5月25日 13時) (レス) id: b0ebd2074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーだい*メガネ | 作成日時:2019年5月16日 11時