乙女ゲーム37 ページ37
「さっき、兄さんらに捕まってましたね」
クラスのテントの中でぼーっとしてると
ショッピが視界に入ってきた
「兄さんに会ってないけど」
「あー、大先生の方」
「元凶さんのこと？」
私が嫌そうに言うと、口だけ笑った
「俺らあの人らに鬱軍団って呼ばれてんねん」
「へー、そう言う呼び名って他にあるん？」
「俺ら一年組は新人って呼ばれてるわ」
さらりと会話に入ってきたのはチーノ
「Aさん、大先生に肩組まれてたやんけ
そんな仲良くなったんですか〜」
「冗談きっつ」
「真顔はやめたれ」
私の隣に座るチーノ
一気に人口密度が高くなり、汗が出る
「でも、あの中やったらワイらが一番好きでしょ」
ショッピに返答する前に放送で障害物の集合がかけられた
「そうなんじゃない」
私はハチマキを結びテントから出た
ゴールした頃にはめまいがあった
人がいないところで息を整えていると影が被さる
「はーい、保健室連行〜」
「無理したノ？」
アロン君とローフェイ君に手を引かれ、保健室に行く
「テントじゃないの？」
「いいから、いいから」
ドアを開けるとリズ君、ロウア君、ノームルト君がいた
「顔真っ赤だね、冷やしときな」
リズ君に氷嚢をもらい、顔に当てる
「五人でここまで来れたんだ」
「帽子被ってたら騒がれなかった」
ムーノルト君が無地の帽子を見せてくれた
「お昼、食べようぜ
Aはこれな」
ロウア君から渡されたのはサンドイッチとレモンティー
「うん、食べる」
「カワイイ」
「久々の犬モードだね」
「わん」
午後の部の放送が流れるまで六人で保健室で駄弁った
クラスのテントに先に戻るとチーノとショッピが近寄る
「何処行ってたんすか、一緒に昼食食べようと思ってたのに」
俯いてるからか、ショッピの目に光がない
「保健室行ってベットで寝てた」
「えぇ‼大丈夫なんか⁉」
チーノの手が額に置かれ、目を見開く
「…めまいがしただけで、横になったし大丈夫」
「グルッペンさんとコネシマさん騒いでたで」
「煩そう」
「とりあえずAは水分補給し」
チーノがなんかオカンみたいなことを言った
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作者名：名無し | 作成日時：2022年2月26日 15時
