乙女ゲームのヒロイン (ページ12)

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乙女ゲーム12 ページ12

ここの学校は毎日、自由に座っている
固定席ではないのでバラバラだが
一日中はその席から勝手に変わって移動してはいけない
わりかし、最初の席から動きたがらない…はず

『イベント発生』

何故、私はクラス中の女の子から
冷ややかな視線で見られてるのだろうか
「え、体温ある？顔真っ青だけど」
前の席のムーノルトくんが振り返る

口パクでSOSを求めるとリズくんが動いた
「ねぇ…」
「り、了解」
先生が来る前に移動し、息を吐いた
気のせいだと思うが体がダルい

「大丈夫か？」
ロウアくんに声をかけられるが体の震えが止まらない
「れ、零度、いやマイナス温度の視線をいくつもあって
　耐えられるわけない」
「…おっかねぇな」
「わかりみが深い」
先生がいなかったのが救いだった

昼休みの時、リズくんから紙を渡される
中には“放課後遠足について、三年二組”と書かれてある
「まア、明日遠足だシ」
「それに話を聞くと寝そうになったらしいね」
「リズくん、傷に塩はやめておくれ」

「自由時間集まらないか？」
ロウアくんの提案は中々良いが
「私は、無事生きているか心配」
いくら阿保な私でも分かる、というか今日思い知った

「ここまでくると～
　逆にAに感心するよ～」
どうやらガチで嫌がる私は可笑しいらしい
…まぁヒロイン役であるけれど
でも好感度とかの進展がないのに日が進んでいる
私は好感度とか見えないけどな、