【銀魂】えぇ？伝説の攘夷志士だぁ？阿保、私は唯の戦場医だわボケェ【坂田銀時】

New life and Dead ページ50

貴方side



私は小夜子の元に寄った

お小夜はもう少しで‥

小夜子「A‥さん」

「なんだ？」

小夜子「今から‥赤ちゃん‥産めま‥すか？」

「カイザー(帝王切開)なら‥」

小夜子「お願いします‥！」

そう言って私の手をぎゅっと握ってきた

その行為はまるで赤ん坊が指を握るような、そんな風に思えた

私は急いでバイクから一式の医療器具を持ってきた

せめて赤ん坊の産声を聞かせたい

私は部分麻酔をすることにした

・・・

大きな産声を上げて生まれてきたのは立派な女の子だった

「お小夜 女の子だったよ」

小夜子「あぁ‥ よか‥‥た せかいで‥いちばんしあわせに‥」

赤ん坊の大きな声の中、蚊のようなか細い声で最期の言葉を放ったお小夜

その顔は一番幸せそうに微笑んでいて私が見てきた中でも一番美しい死に顔だった

「う"っ‥なんでっ なんでだよ‥！ どうやって‥」

奈落にでも持って行って蘇らすか

‥なんて無理だな

そんなことわかっているのに

赤ん坊が泣き止んだ

私は上着を赤ん坊に包んだ

赤ん坊は私の腕の中で静かに寝ている

ふと頭によぎったのはお小夜との会話だった

ーーーーーー
「赤ん坊の名前決めてあるのか？」

小夜子「はい！ 名前はー
ーーーーーー

「名前は【幸】 さち‥【幸せ】から取ったらしいぞお前の名は 如何にもお小夜らしい」

答えもしない赤ん坊に私は話しかける

お小夜の隣で赤ん坊を見ていた

月明かりが私達を照らす

・・・
騒がしい足音が聞こえてきた

？「ったく 通報があったから来たけど何もありやせんねィ 土方さん」

土方「潰れた倉庫と沢山の死体 ‥っ！」

入り口にあった死体に驚く土方

土方「お前、なんでここに！」

？「あっ、Aさんじゃないですかィ」

「‥‥」

土方「(何があったんだ‥)」

沖田「俺らについて来てもらってもいいですかィ？ 詳しくは屯所で聞きます」

私はゆっくりと立ち上がった

首の座っていない赤ん坊は慎重に扱わねば

私はお小夜の遺体を見た

一言で言えば【赤】

「お小夜 幸のことは任せてくれても構わない 静かに眠れ」

私はお小夜の遺体に背を向けて土方達の後ろについて行った

死体の処理はこいつらに任せよう





私は不確かな一歩を踏み出した

不確かだけどきっと明日につながる一歩

ーーーーーー
あぁ 鬱になるぅ泣
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました
続編もどうぞよろしくお願いします
煎餅布団より

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