美しい世界に貴方は1人 (ページ27)

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twenty five ページ27

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「ねぇ、そんなことしてるとAちゃん取られちゃうよ？」

「海人……」

雨が降るバス停

岸とAは一つ前のやつに乗って行った

「その方がAの為だから。俺は何も守れない」

「岸くんの方が守れるって？」

「…うん」

あのとき、あいつに言われた言葉が今でも脳裏に焼き付いて離れない

＿＿守れないのかよ___

嘲笑と蔑みを表してる瞳

あいつが誰だとかは全く知らないけど、
少なくともあいつの言葉は正しかった

桃井とか、サッカー部のマネージャーとか
他の女子よりも異常にAを毛嫌いする奴らの行動は俺には見えていた。

でもAには見えない。

彼女は目からの情報を一切受け取らない

だからAは、信じることしか出来ないんだ。

誰が嘘つきなのか分からない
誰がどんな表情、どんな瞳、どんな姿で話してるか分からないんだ

だから俺が守ってあげないといけなかったんだ

「Aちゃん、なんで見えないんだろうね。」

ふと、海人が言った

「Aちゃんの目が、もし正常に働いていたら…って思ったことあったでしょ？」

そういえば、彼女は何で見えないんだろう。

俺、何も知らないじゃん。

Aのこと、なんも

「おかしいと思わない？変な時期に転校してきて、親が学校に来ることもないし、それに…

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「昔の話はしないよね。まるで記憶がないかのように」