美しい世界に貴方は1人 (ページ13)

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You Side

その後助けてもらった岸優太くんに支えられながら保健室へと向かった。

「えー！なんで保健の先生いないのぉー」

『あ、多分出張…』

顔は全然どんなかは分からないけど、なんかこの人面白い。
一緒に話しているだけでも笑っちゃうような明るい人

こんな人みたいに素敵な人になれたらいいのになぁ

「とととととりあえずさ、着替えなきゃだよね。」

岸くんに言われてから思い出した。
あ、そうだ。私今びしょ濡れだったんだ

「その…目のやり場に困るからとりあえずこれ着てて。着替えとか持ってる？」

体に暖かさが伝わって、彼の上着が着させられたことを理解する。

彼の質問にこくりと頷くと、彼は「取ってくるから待ってて！」と言った。
きっと笑顔で

タッタッタッタ。保健室から出た瞬間彼の走ってる音が聞こえる。

あぁ、彼は優しい人なんだな。そんなに急いでくれなくても平気なのに。
岸優太くん。さっき知ったけど同じクラスだったんだね。

そういえば私廉以外のクラスメートよくわからないなぁ。
廉しか知らなかったからクラスにこんな優しくて面白い人がいるなんて…

ガチャっとドアノブの音がする。

「はやっ笑笑」

だなんて言いながら岸くんが入ってくるのを確認する。

ぼふっと頭にタオルのような布(?)がかけられた。
わぁ、岸くんいきなりだなぁびっくり

なんて考えは一瞬で消える。

『廉？』

「せーかい」

香水の匂いじゃなくて慣れてる廉の匂い。
……なんか変態みたいだけど

でもなんで廉がこんなとこ来てるんだろう。
彼はまだ練習中じゃなかったっけ

ってそもそも岸くんどこいった

「さっきあっちで岸くんに会ったから。」

『あ、そうなんだ～』

「とりあえず着替えてきなよ。」

私の手を引いてカーテンのある方に誘導してくれる。
…ほらね。廉はいつも私の手を握ってくれるの。だからいつも安心できる。

『ふふっ』

「なに急に笑ってるの笑笑」

廉の存在が私には必要なの。

・

・

「着替えたらさ、何があったか話してくれない？」