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彼は迷うことなく水を選んだ。それでいいの?と聞くと、俺意外と水好きなんですよね、と返ってきた。オレンジボーイだからオレンジジュースかと思った、と伝えると案外笑ってくれて嬉しかった。
私は外に出ようと彼を誘導し、昼に比べ音の少ない街中に出る。
「この静かな中、こうへいくんがビートボックス始めたらどうなるかな」
こ『何考えてるんですか笑』
2人で笑い合うこの瞬間も心地よい。私のマイペースな部分も彼は笑顔になる要素だと言ってくれる。
こ『ところでなんですか?俺を呼び出した目的って』
「...こうへいくん、本番前に私からこ褒め言葉ならなんでも嬉しいって言ってくれたじゃん?」
こ『あーそうですね笑今思うと恥ずかしいな笑』
「そして、可愛いよりかっこいいって言われたいとも言ってたと思うんだけど」
こ『...掘り起こさないでくださいよ笑』
「本番後、私こうへいくんにかっこよかったよって言いそびれちゃって」
こ『え』
私は深呼吸する。会ってからまもない関係でも大切な人と思えた彼にはちゃんと伝えたいと思った。
「あのステージ、世界で1番かっこよかったよ」
この言葉は、どんなに時間が経っても伝えなければいけないものだと思うから、彼を呼び出してでも言いたかった。
こ『......ありがとうございます』
こうへいくんは顔を手で隠している。彼の耳は髪で少し隠れてあるとはいえど、赤くなっているのが丸わかりだった。
静かな街並みと冷たい夜の空気が恥ずかしさで火照った頬にちょうど良い。
こ『可愛い顔してこっち見ないでください』
「可愛いって思ってくれてるの?」
こ『なんでそこにひっかかるんですか...』
こういう彼はその言葉と裏腹に、どこか愛おしそうな目でこちらを覗いている。彼がこの後の大会のことも安心できたなら、私の目的は達成である。
こ『そんなに可愛いから好きになっちゃうんですよ』
「え?」
こ『あ、えと、こんな短期間の付き合いでも好きだなと思えるくらいAさんのことが”友達“として大切だなと感じたんです。すみません、誤解を招くような言い方で...』
「ううん気にしないで?!私もこうへいくんのこと、友達として大好きです」
一瞬、衝撃的な言葉に驚いたが、ヒロくんとの関係を知っている彼のことなので、気にしないことにした。
こ『てか、AさんSO-SOさんには言わなくていいんですか?笑』
「それは大丈夫!SO-SOくんにはかっこいいって本番後に言えたの!」
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野田 - さくらもち0401さん» コメントありがとうございます!いつも励みになってあります🥹これからもよろしくお願いいたします! (5月4日 14時) (レス) id: e9ef1e7962 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち0401(プロフ) - 久しぶりにコメントしたー!いつも見てます!!! (5月3日 22時) (レス) @page49 id: 6f2ed1d957 (このIDを非表示/違反報告)
野田 - まみまみさん» ありがとうございます😭嬉しすぎてモチベ爆上がりです…!不定期更新ですがこれからもお読み頂けますと幸いです♡ (5月3日 20時) (レス) id: e9ef1e7962 (このIDを非表示/違反報告)
まみまみ - ビートボクサーの夢小説なかなか見つからなかったので、見つけた時発狂しました!無理なく頑張って下さい🙇♀️ (4月30日 12時) (レス) @page20 id: 570ea4c4c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち0401(プロフ) - 今回もすごく良きでした!ありがとうございます!!!! (4月3日 0時) (レス) @page34 id: 6f2ed1d957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野田 | 作成日時:2024年2月24日 3時