177話 ページ18
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笠原 seid
人は思い出したくない記憶に蓋をする。
そうすることでその記憶と共に芽生える罪悪感、怒り、喪失感、憎悪、後悔、苦しみそして嘆きから遠ざけることができる。
ふとした時その蓋が僅かにずれ、頭の中に血液のように流れ込んできたとしても、すぐにまた蓋をすることができる。
いや、できていた筈だった。
私の記憶の中にいる人達が具現化して現れるなんて思いもしなかった。まだ100歩譲って生きている人間ならわかる。まだだ。
だが死んだ人間まで出てくるなんて思わないじゃないか。どんな悪戯だ。
ゆっくりとこちらを向いた三つの顔に、冷や汗が流れ落ち、ヒュッと息を吸い込んだ。目を大きく見開いているのが自分でもわかる。
思い出したくないからなのか、今まで蓋をしていたからなのか。
そこにいたのは、"顔の部分"だけがない人間。声も知ってる、後ろ姿だって忘れたことなんてない。なのに顔だけがない。それを認識した時だけ一瞬だけ時が止まった気がした。
それが仇になった。
気づいたら私の体は壁に叩きつけられていて、喉の奥からぐちゃぐちゃになった何かが溢れ出るように、血が口から吐き出され、あっという間に鉄の味が口の中に広がる。
遠くから国木田の声が聞こえたがそれもすぐに肩の痛みのせいで掻き消された。
薙刀が私の頭を狙うように降りかかってくるのを交わし体制を整えるも、背後から気配を感じる。
私よりも少し背が高い男が刀を突いてきたのを 体を回転させ避け、足払いをし体勢を崩す。3人から距離をとり、痛めた右肩をおさえる。
？「お嬢様、昨日も言いましたよ。前ばかりを気にしていると、背中を取られますと」
「…は？」
"昨日��という単語に眉を寄せる。
そうか、やっぱり私の記憶の一部が具現化されているということに間違いはないらしい。
「………」
？「奥様にもまたどやされますよ？」
_____________早く
？「こいつの言うことを聞けよA。あのおチビもなんか言いたそうにしてるし？」
？「おチビって言わないで！？」
＿＿＿＿＿早く消えてくれ
やっと蓋をして、施錠までしたんだ。
こんなくだらないゲームの為に思い出させるなよ。
感情的になるな、なんて言われたこともあった。刀を振り回すだけが全てじゃないとも言われた。
でも、この状況で冷静とか理性とかそんなくだらない言葉なんかもはや無意味に等しい。
「ほんっとイラつく！！」
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NUTS Y(プロフ) - 一気見しました！個人的には早く戻って最終的には神威オチなのかなと思いながら見てます！ (7月3日 16時) (
レス) @page41 id: f725ce1dcf (このIDを非表示/違反報告)
イッチー - 一気読みしました、続きがとても楽しみです！これからも頑張ってください！お身体にお気をつけて (6月30日 23時) (レス) @page41 id: a4b78f2cca (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 早く続きが見たいです！ゆっくりでもいいので更新待ってます！ (2023年1月26日 12時) (レス) @page41 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 滅茶苦茶好きです！応援してます！o(^-^)o (2022年3月6日 8時) (レス) @page40 id: 63e7cbea6f (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 黒の時代、もっと続きみたいです‼ (2022年1月17日 17時) (レス) id: 268141ac8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ババロア x他1人 | 作成日時：2017年8月20日 21時
