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175話 ページ16

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土「手前等ぁ…何すんだごらぁぁぁぁぁ!!」

『やっちまえ手前等ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』



あ、元気そうでよかった。
姿はよく見えないが、声からして元気そうだから心配はいらなさそうだ。まぁ、彼等がそう簡単にやられる筈ないと思ってはいたけど。


土方達は中也達に任せ、目的の人物の元へ駆けた。途中で春雨や百華の連中や納豆女、ローション野郎、なんか黒い物体を投げてくる女などを相手したが、視線の先は彼等など眼中にはなかった。





人は誰しも前を向いて歩いている。




常に後ろ向きではないが、時折誰しもふとした瞬間に過去の後悔や苦しみを思い出してしまうことがあるだろう。例えそれが、もう二度と取り返しのつかないことである事が分かっていたとしても、あの時の自身の行動に嫌悪感を抱くことがあるだろう。そしてその出来事が2年、3年、ましてや10年前のことだとしても、昨日のことみたいに鮮明に思い出されるのだ。

そして目を瞑って思うのだ。



あぁ、またか。と



あの時自分が強ければ、一体どれだけの人を救えたのだろうか


あの時自分が早く行動していたら、少しは未来を変えれたかもしれない


あの時自分が物分かりのいい奴だったら、消え去る命はなかったのかもしれない



今更考えてももう遅いのに、考え出したら止まらなくて、あの時の不甲斐なさまでもが自身を襲う。


何回未来が見えればよかったかと思ったことか。


何度自分を殺してやりたいと思ったことか。


何で自分が生きているのかと思ったことか。


ドロドロしたものがどんどん溢れ、止まらず、キィィィンと鳴る耳鳴りも止まない。頭が割れるように痛くなる。息も吸うのが困難になり、瞑っていた目を開ける。



動かしていた足を彼等の前で止める。



いつぶりだろうか。懐かしいその3つの背中に笑みがこぼれる。でもその笑みに、嬉しいと言う感情はない。あるのは後悔と罪悪感だけだ。





急に男が私の名前を呼ぶ。

?「その気配はAだな!」

気配だけでわかるなんて流石すぎるねほんと。


?「何言ってんの?足音で私は分かったぞ?」

背を向け私とは対照的な鈴のような綺麗な声で話す女。今思えば、私の口調はこの人のがうつったらしい。


?「お二人共喧嘩はおやめ下さい。A様が困っております」

穏やかな口調で2人を宥める男の声に、思わず唇を噛む。





私は刀を構えることすらも忘れ、ただ3人の背中を見つめることしか出来なかった。

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NUTS Y(プロフ) - 一気見しました!個人的には早く戻って最終的には神威オチなのかなと思いながら見てます! (7月3日 16時) (レス) @page41 id: f725ce1dcf (このIDを非表示/違反報告)
イッチー - 一気読みしました、続きがとても楽しみです!これからも頑張ってください!お身体にお気をつけて (6月30日 23時) (レス) @page41 id: a4b78f2cca (このIDを非表示/違反報告)
- 早く続きが見たいです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2023年1月26日 12時) (レス) @page41 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 滅茶苦茶好きです!応援してます!o(^-^)o (2022年3月6日 8時) (レス) @page40 id: 63e7cbea6f (このIDを非表示/違反報告)
- 黒の時代、もっと続きみたいです‼ (2022年1月17日 17時) (レス) id: 268141ac8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ババロア x他1人 | 作成日時:2017年8月20日 21時

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