三十九 ページ39
全員分のお茶を出し終わるとAも席に着く
座っている幹部たちは皆真剣な顔をしている
「お久しぶりです、皆さん」
Aが言うと幹部たちは久しぶりやな、と返す
「お元気でしたか？また会っちゃいましたね、総統閣下」
「そうだな、私達は元気だったよ」
「良かったです」
平然と話すAを見てショッピは拳を握る
「A、なんで出ていく時なんも言ってくれんかってん。俺、なんかしたんかと思って、ほんまに心配して、」
吃りながら話すショッピにAは言う
「ショッピくん、すみません。ショッピくんのせいじゃありませんよ」
「じゃ、じゃあなんで」
Aは少しバツの悪そうな顔をする
そして、今まで幹部たちには見せたことの無いヘラッとした笑いを見せて言う
「実は、私あと長くても1年半で」
その言葉に皆は言葉を失う
「…は？」
「なんや、それ」
「Aちゃん、それ、冗談じゃ済まされんで？」
「冗談なんかじゃありません。本当なんです
黙って出て行ってしまって、すみませんでした
総統閣下、今まで黙っててくださってありがとうございます」
「守秘義務は守る。当然のことだ」
「相変わらずですね」
Aは笑う
「しかしA。表情が柔らかくなったな」
「そうですか？元々、こういう顔なのですが」
「軍にいた時とは全然違う。やはり此方の生活の方が楽しいか？」
「そんなの、選びきれないくらいどちらの生活も楽しいです。
やっぱり、ここの孤児院はずっと育ってきた場所で子供の世話が好きな私にとっては楽園のような場所です。
ですが、
軍での生活もそれに変えられないくらい楽しかった。
皆さんが優しく接してくれたり、皆さんの話を眺めていたり、何をしても楽しかったです。
我々軍に勤めていた数年間は私にとっては宝物です」
「そうか。それは良かった」
そこまで、グルッぺンとAの話を聞いていたコネシマが言う
「A、軍に戻って来おへんのか？」
Aは何を言ってるんだという顔をする
「2度目ですが、私あと長くても1年半なんです」
「それでもええやん。俺らはあと1年半しかおられんかったとしても最後の最後までAと一緒におりたいんや」
涙目で言うコネシマ
それに続いてエーミールが言う
「コネシマさんの提案、私からも。
ここにいる皆さんはAの事が大好きやで。
傍に居るだけでええから、戻って来てください」
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ヒメリ - めちゃくちゃ泣きました、ゔぅぅぅ声を荒げて泣きたいぃぃ (11月10日 0時) (
レス) @page50 id: 15632a9ca1 (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - ぁぁ…こんな神作品こりゃ泣くわ……グズｯ泣く時声出さへんけど声出ちまった………ゔわぁぁぁぁぁん… (5月7日 20時) (レス) @page50 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りと - ああもう、泣かせますねぇ…。苦しいけど、前を向いて生きていく姿に更に泣かされました。気の利いた言い回しは出来ませんが、本当に素晴らしい作品だということだけ、伝えさせていただきます。お疲れ様でした。 (5月5日 19時) (レス) @page50 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
うぬっぴ - 泣きました。泣いてる時に、テレビからちょうどよく、悲しい感じの歌が流れてきて…。壁に頭を打ち付けながら、『泣けるハッピーエンド』と言いながら泣いてました。最高の作品です！読んでて楽しかったです！ (2023年1月2日 20時) (レス) @page50 id: 07186dcafa (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - めちゃくちゃ泣きました。本当に素晴らしい作品をありがとうございます。ちょっと布団取ってきますね。バスタオルだと足りなくて･･･() (2022年9月20日 21時) (レス) @page50 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮 | 作成日時：2022年8月5日 18時
