ギャァァ！モウ一匹ノ鬼連レ！鬼連レェ！！

14.意見 ページ14

＿Aside


先日の闘いで考えついたことだけど

私も日輪刀が欲しい

この爪でいくら鬼の頸を切っても日輪刀じゃないから回復してしまう

それなら刀身全部とは言わないから

爪の先端にだけでも欲しい

そしたらもっと闘いに役立てるはずだ

ということを胡蝶しのぶさんに伝えた

最初は話しかけるだけで凄く嫌そうな顔をされたけど私がしっかり鬼殺に貢献できているという実績に少しだけ納得してくれているようだった

胡蝶「分かりました、伝えておきます」

まぁそれでも、鬼と話すなんて嫌だよな

私と話している時の胡蝶しのぶさんの揺らめきはグツグツと煮え滾らんばかりに大きくなる

いつもはアオイとか炭治郎さんにお願いしているけどこの話はしっかり自分の口から伝えたかった

もしかしたら爪や指が大変な事になるかもしれないけどそんなのも覚悟の上だ

頑張ろう




『というわけで、届きました、私の日輪刀です』

善逸「すっ！すす凄いよ！Aちゃん！！」

炭治郎「Aは時々行動力がありすぎるな」

伊之助「なんで鬼なのに消えねぇんだ？」

3人がいっぺんに喋るのはこの人たちの癖だと思う

見せるため爪から日輪刀を外した

『いった…』

流石に日輪刀なだけはあってとんでもなく指先がヒリヒリする

付けている時は痛くないように工夫されているけれど取り外しの時はどうしても触れてしまう

善逸「えっ！それやっぱり痛いの？」

『少しだけね』

ちなみにこれは嘘である

指の先端がもげているのではないかというくらい痛い

熱が一箇所にたまって今にも爆発しそうだ

でもこんなの見栄をはらせてほしい

それに気づいたのか気づいていないのか分からないけどそれぞれ日輪刀を持ってしげしげと眺めていた

私の刀を打った溝江嵜さんは凄く私に怯えていたけどしっかり説明をしてくれた

これは“付け爪”という種類らしい

できるだけ怪我をしないように配慮してくださった


善逸「はい、これ返すね」

伊之助さんを追いかけて庭に出た炭治郎さんの分と伊之助さんの分をまとめて渡される

痛いのが来る、と思いきや

善逸「さっき痛いの我慢してたよね」

『…うん』

音でバレたのかな

善逸「はい、指貸して」

手を彼の前に差し出す

そして、スルっと付け爪をはめられた

痛くない

善逸「付ける時と外す時は絶対俺に言ってね」

Aちゃんが痛いのは嫌だから

と、善逸君はお日様みたいな笑顔で続けた

鼓動が速くなる

こんなのドキドキしない方が可笑しい

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