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「そういえば、Aさんめちゃめちゃ1年生が噂してましたよ!すごい綺麗でかわいい人がいるって!」
『…え?』
…そうか、まだ1年生にはAの悪行が知れ渡っていないのね…。その事実に胸を撫で下ろす。
と同時に、私はそんな人に転生してしまったのか、と今更実感する。まだあまりこの体には慣れていないけどね…
『ふふ、嬉しいわ。でもそんな噂されるほどじゃないわよ?]
「いやいや!めっちゃかわいいですよ!?…あ」
勢いで言ってしまったのか、顔を赤くしながらえっと、いや、その…と言葉を濁して口元を手で隠す彼。その後、
「…本心、ですから…」
少し目をうるっとさせ、上目遣いでそう言うなかむさん。
…はっきり言って、破壊力がえぐすぎる…!。
『あ、ありがとう…』
私も恥ずかしくなり、2人して向かい合って顔を赤くする。少しの沈黙で気まずくなりながらも、なかむさんはどこか嬉しそうだ。
そんな空気を破ったのはきんときだった。
「…A様、遅れてしまいますよ。」
いかにも不機嫌です!と言うようにそう告げる彼。今度は私の背中を押しながら、早くと促してくる。
『そ、そうね。急ぎましょ、なかむさん。』
「そうですね…!行きましょうか!!」
「…では!ありがとうございました!!また!」
会場に着き、時間もギリギリだったのでそれぞれ席につくため別れる。
「…少しまずいですね…」
『え?きんとき、何か言ったかしら?』
「いえ、なんでもないですよ。」
爽やかに微笑んでいるだけど、どこか暗い表情をしているきんとき。
『…なにかあったの…?』
「ほら、式が始まりますよ。」
そう言って人差し指を口元にあててしー、とするきんときに少しときめき、何も言えなくなった私は静かに前を向くしかなかった。
式中、ずっと暗い顔をしているきんときが気になって全然集中できなかったのは、言うまでもない。
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あまね(プロフ) - 待ってます👊 (4月29日 19時) (レス) @page19 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
りる(プロフ) - 一 にのまえさん» あたたかいコメントありがとうございます…!とても嬉しいです!!頑張ります! (2023年4月3日 0時) (レス) id: 36576409aa (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - わかりました!待ってますね!大好きな作品なので頑張ってください! (2023年4月1日 10時) (レス) @page19 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
おみそ - りるさん» いえいえ大丈夫ですよw!そういう対策?ってとっても大事だと思いますしおすし ふざけてすいません (2023年2月14日 19時) (レス) @page19 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
りる(プロフ) - おみそさん» なんのお知らせもなしにすみません…!最近界隈が荒れてるようなので一時的にpwをかけさせていただいてます! (2023年2月13日 17時) (レス) id: 36576409aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りる | 作成日時:2022年7月22日 0時