他の男の匂いを付けてやる【長男】

弐拾 ページ21

. 炭治郎 視点





『 たん 、じろ ... 』


｢ ... ぁ 、ごめんね

首元が赤くなってたからつい 、念の為 虫 には気を付けないとな ｣





眉間に皺を寄せて不思議そうに俺の顔を覗くA

誤魔化すように答えて教室に向かう





( 本当に気を付けてくれ )





｢ ... 俺だけで良いだろうに ｣





そんは言葉は周りの雑音に揉み消されてしまった

Aは本当に鈍感だからな



無意識に余計な虫がつく





｢ ... ちょっと炭治郎 、何か音が怖いんだけど ｣


｢ ！ 、あぁ善逸か ... おはよう ｣





パタパタとカナヲの元へ駆けて行ったAと入れ違うようにこっちに来る善逸

風紀委員と書かれたチェック表をしまいながら怪訝そうな顔でこちらを見る





｢ Aちゃんは本当に綺麗な音がするんだよね 、

でもさぁ ... ｣





最近は悔しさと困惑が混ざっててあまり聞きたくないよ

と 、言うが





｢ ... 玄弥が原因だろうな ｣


｢ はいはい 、お前も原因の内だろうよ！

彼氏だからって余裕ぶっこいてると奪われちゃうんだからね！ふんっ！ ｣





直ぐに何時もの調子でプンスコと怒ると

禰豆子ちゃんとお付き合いさせて！と続けてきた





｢ 禰豆子が惚れたら考えるよ ｣


｢ ｴｪｴｪｴｴｴｪｴ ！！！ だって禰豆子ちゃんがまずはお兄ちゃんから許可を取れたら考えるって ... ！！

ちょっと待ってもしかして俺これ一生無理！？

そうなの！？え！？待って炭治郎ｫｫｵｵｫｵ ｣





... さて 、俺が原因の内とは

何だろう

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