前世の君、今世で。【wrwrd】【tn】 (ページ6)

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ut「吾妻ってたまに関西弁でるやんか。あれってなんでですの？？別に関西出身ちゃうやんな？」

『うん、関西出身じゃないよ。……んー、私もよく分からないんだよね。なんか口馴染みがいいと言うか…。懐かしいというか？？』

酒のせいか言っていることがわからなくなってきてしまったが、私は元々関西で育ったわけじゃない。生まれも育ちも東京で、特に方言とかもなかった。
でもこっちに来て、なぜか「元からこうだった」という印象を受けた。
移ったと言うより本当に、元からこうだったという感じなのだ。

『私も分からないし、いつ関西弁になってるのかも分からないんだよね〜…。』

ut「ふーん…」

どんなことを話しているうちにどんどんと食事が届いてきた。

ut「これ、いつ止まるん…。足りるかな…」

と財布をチラチラと見る鬱に

『まあ、鬱ってお金あるやん？な！』

ニコッと笑うと鬱は顔をひきつらせた

『っと、ちょっとお花摘みに行ってくるね』

よいしょっとふらつく足で立ち上がる。
少し飲み過ぎたらしく顔が熱い。

ut「便所ね、はいはい。」

乙女の気持ちをなんだと思ってるんだこの男は。
ジョッキを片手にヘラヘラと笑う鬱を置いて、私はトイレに向かった。