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桃の花:綾部喜八郎 ページ8

僕には4年間想い続けている人がいる。
1つ上のA先輩だ。
僕は何度もA先輩に告白している。

「A先輩。好きですよ。」

「はいはい。ありがとう。」

A先輩はそう言って笑うばかり。
この告白は何かの冗談だと思っているようだ。

「冗談だと思ってるんですか〜?」

「それ以外に何があるのよ。」

「ん〜。本気、ですかね。」

「アホな事言ってないで委員会行きなさい?立花先輩に怒られるわよ。」

A先輩はそう言うとどこかへ行ってしまった。
僕の想いはいつ彼女に届くんだろうか。
どうしたら気持ちは伝わるだろうか。
僕は委員会ついでに立花先輩の元に聞きに行った。

「立花先輩。ちょっと相談です。」

「なんだ喜八郎。珍しいな。」

「どうやったら女性に気持ちが伝わりますか。」

「は?」

「僕、想い人がいるんです。それで気持ちを伝えているんですけど、相手は冗談だと思ってるんです。」

「ほう。ならば、何か贈り物をしてみたらどうだ?そう高くない物で、櫛とか簪とか。」

「なるほど〜。ありがとうございます。」

僕はそう言って委員会の仕事に戻った。

彼女に贈るなら何がいいだろう。
何を贈れば喜んでくれるだろう。
櫛はこの前買ったと聞いた。
簪はあまり好きではないというのも聞いた。
着物は僕の所持金では買えない。
先輩の好きな物はなんだろう。
あ、そうだ。あれにしよう。
思いついた僕は次の休日に買いに行くことにした。



「Aせんぱ〜い」

「ん?あら、喜八郎。どうしたの?」

「先輩に渡したいものがあるんです。」

「ん?なぁに?」

僕は後ろで隠していた物を先輩の前に出した。

「これ...桃の花?」

「はい。先輩、桃の花が描かれた着物をよく着てたから。桃の花が好きなのかなぁって。」

「うわぁうれしい!ありがとう喜八郎!」

「先輩。桃の花の花言葉って知ってますか?」

「花言葉?花言葉は知らないな。」

僕は1歩進み先輩との距離を縮め、耳元で囁いた



「花言葉は、あなたに夢中ですよ。」

僕はそれだけ言うとその場を去った。
これで、僕よ気持ちが伝わるといいな。

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設定タグ:忍たま , RKRN , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:優乃 | 作成日時:2020年12月20日 2時

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