幸福論 (ページ22) - 小説/夢小説

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最期:立花仙蔵ページ22

※｢幸せに｣の続きの話になります

私が殿に嫁いで２年が経った。
私は正室なのにも関わらず、子を1人も授からなかった。
その為、何人もの子を産んだ側室が正室と同じ扱いをされていた。

(この時代の女なんてこんなもんよね...。)

娘をそちらにやるから、こちらに攻めてくるのはよしてくれ、という意味合いで私を嫁がせたのだ。
子を産めば国と国とのつながりは更に固くなる。
私は何通も父から手紙を貰った。
何故子が出来ぬのだ。
原因はお前にあるのか。
早く孫の顔が見たい。
父はいつでも政治のことしか考えていなかった。

(あの日に戻りたい。)

私はここに嫁ぐ前の数日を思い出した。
きっと私の最愛の人はあの人なのだ。
もう一度共に花畑に行きたい。
もう一度会いたい。
なんて想いが日に日に強くなった。

｢もう一度連れ出して...｣

誰もいない部屋でボソッとつぶやいた。