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私のお気に入りの場所にはたくさんの木の実がある。
甘酸っぱくてとっても美味しいの。
いつもは少ししか取れないけど、今は人間の姿だからいつもよりたくさん取れる。
自分も少し食べながら木の実を取っていると、日が暮れそうになってきた。
｢大変だわ。八左ヱ門の事待たせてるんだった。急いで戻らないと。｣
私はそう言って元の場所に戻った。
途中で転んだりして汚れたけど、もう気にしなかった。
｢あれ？八左ヱ門...？｣
周りをキョロキョロ見渡しても八左ヱ門の姿はなかった。
もしかしたら、あそこに帰ったのかもしれないわね。
確か、ニンジュツガクエン...？だったかしら。
私は八左ヱ門の微かな匂いを辿って行った。
しばらく歩くと忍術学園と書かれた看板が見えた。
｢きっとここね！ごめんくださーい！｣
そう言いながら戸を叩くと、1人の男の子が出てきた。
｢八左ヱ門はいるかしら？｣
｢いますよ！あ、その前に、この入門表にサインしてください！｣
そう言って彼に筆と紙を渡されたけど、自分の名前は書けなかった。
｢ごめんなさい。私、字が書けないの。Aって書いてくださる？｣
｢あ、分かりました〜。それじゃあここで少し待っててください。八左ヱ門くん呼んできますね〜。｣
男の子はそう言ってどこかへ行ってしまった。
少し待つと八左ヱ門がやってきた。
｢もー！待っててって言ったじゃない！匂いでここが分かったけど、分からなかったらどうしてくれたのよ！｣
そう言って頬を膨らませた。
｢あ、そうそう。これ、皆に食べさせてあげて！私のオススメよ！甘酸っぱくて美味しいのよ！｣
そう言って私は木の実を差し出した。
だが
｢気持ちだけ頂いておきます。｣
｢え...？｣
｢俺には貴女が何者か分かりませんから、怪しい人からもらった物を生き物たちに食べさせる訳にはいきません。｣
八左ヱ門はそう言って受け取ってくらなかった。
｢そっか...。そうよね。ごめんなさい。｣
普通に考えればわかる事だった。
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作者名：優乃 | 作成日時：2020年12月20日 2時
