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苦しい:不破雷蔵 ページ2
昔からAの事が好きだった。
僕とAは幼馴染で、生まれた時から一緒だった。
いつから好きなのかって聞かれても、いつからだろうって悩んでしまうほど前から好きだった。
でもAは
｢わ、私ね。三郎が好きなんだ。｣
少し前に照れながらそう言ったAを、僕は鮮明に覚えている。
そして、僕の心の中で黒いモヤモヤが生まれたのも分かった。
あの時は
｢そうなんだ。応援するよ。｣
なんて笑ったけど
今は苦しくて苦しくて仕方がない。
今だって僕の横で楽しそうに三郎の話をするんだ。
ねぇ、その笑顔を僕だけに向けてよ
ねぇ、三郎じゃなくて僕を好きになってよ
ねぇ、僕の話をしてよ
ねぇ、僕を見てよ
あぁ、きっと
｢嫌いだったらこんなに苦しくないのに。｣
僕はAに聞こえないようボソッと呟いた。
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作者名：優乃 | 作成日時：2020年12月20日 2時
