ぞっこん【宮侑】 (ページ11)

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笑顔ページ11

「､､､､､､え、私？」

意図せず声が震えた。
か、可愛い、だよね、可愛いって､､､さっき､､､。

「Aちゃんは、かわええよ」

侑くんが復唱した。
告白されたわけじゃないけれど、可愛いなんて男の人から言われたのは言わずもがな初めてだ。
な、なんっ、なんで､､､？

「､､､､､､､､､ありがとう」

最大限照れながらも、なんとか感謝を述べる。
侑くんもすごくかっこいいよーーそう言おうかとも迷ったが、恥ずかしくてもごもごしてるうちに時間が過ぎて行った。

「照れてる？」

ふとからかうように侑くんが顔を覗き込んできた。
彼の表情は、どこか吹っ切れたように見える。
私の顔は嘘なんてつけないくらいに真っ赤で。

「え、うん､､､」

侑くんという昔から人気のあった男の人に可愛いなんて言われたら、誰だって照れると思うけど。

「照れてる顔もかわええな」
「ね、ねえ、あの、からかってる？」

私の反応を見て面白がっているのだろうか。
でも、侑くんは、本当に慈愛に満ちたような笑顔だった。
私をからかっているようには､､､､､､到底見えない。

「からかってへんよ？」

そんな甘い声で囁かれると、胸がぎゅんとする。

「､､､､､､そ、ソウデスカ､､､」

消え入りそうなほど小さい声で答えると、侑くんはけらけらと笑いながら「声ちっちゃ」という。
侑くんのせいと言っても過言ではないけどね､､､。

「あんま気にせんでいいよ、ほな行こか」
「あっ、うん！」

さっきより気持ち早足になりながらも、私は侑くんと大学内を歩いて行った。