物理。漆 ページ9
てくてくと道を歩く私たち。
お店ではお婆さんたちに「あらあら」という顔で見られ、疲労していた。
私たちはイジられることに慣れてきてしまった気さえする。
「…このままなんもなく帰れりゃいいんだがなァ…面倒くさい奴には会いたくねェ」
『それは私もですよ…でもそう言うこと言うと出てくるものなんでやめてくださいな…』
噂すれば出てくるってよく言うじゃないですか。
でも、無言で恋人繋ぎっていうのもキツい。二日経っても、羞恥心は変わらない。
「…もしかしてAさん!?ってえ"え"え"え"ーーーーッ!!!嘘だァアアアア!!」
「静かにするんだ善逸!あっAさん不死川さんこんにちは!」
「天の川!!勝負しろ!!」
目の前に現れる善逸、炭治郎、伊之助。
私と不死川さんはほぼ同時にげんなりとした顔をした。
私はこの子たち好きなんだけど、この状況では会いたくない。特に善逸とは。
『…ほら、言わんこっちゃないでしょう』
「…ックソ…悪りィ…」
そして伊之助はいつものごとく名前を外しにかかってきている。
私天の川じゃない、天野。
目を充血させた善逸がこちらをガン見、炭治郎は不死川さんに笑顔で威嚇、伊之助に至っては私の腹に頭突きである。
もう少し落ち着いてくれ。そう思うのも仕方がないと思う。
「Aさんと不死川さんは恋仲なのですか!!」
炭治郎がそう問えば、不死川さんは不敵に笑った。
「そうだ、って言ったらどうすんだよォ?」
『!?ちょっと不死川さん何言ってんですか!』
目を引ん剥いてこちらを見る善逸。
炭治郎はむん!と言う顔で言う。
「不死川さんから嘘の匂いが、Aさんから困惑の匂いがします!」
『よく言った炭治郎。実はね……』
そう言って状況を説明すれば、三人は納得していた。
だからAさんから拒否の匂いがしないのか…とか言わないの炭治郎。
もとから不死川さんは嫌いじゃなかったから!怖かっただけだから!
「…そうですか!お買い物帰りにお邪魔してすみませんでした!!では!」
そう言ってお辞儀をして帰って行く三人組。
『…不死川さん、おちょくるのはやめてください』
「こちとら鬱憤溜まってんだよォ」
「あっ言い忘れてました!!お二人とも信頼の匂いがするのでお似合いではないでしょうか!!」
言い忘れていてくれて良かったのに、と思ってしまうのもしょうがないと思う。
これから二人っきりなのにそう言う話題はやめてください。気まずいから。
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ナイトウルフ(プロフ) - 最後、、、!一気に読んじゃいました(笑)さねみんイケメン…この話が現実になればいいのにッッッ 素敵な作品をありがとうございます!! (2022年2月13日 1時) (レス) @page28 id: 1bd66c2c15 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 夢中になって読みました! 他の柱の物理も読みたいですーーー! (2020年12月3日 0時) (レス) id: 1c30a1e22f (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 番外編のおばみつちゅき(( (2020年7月31日 14時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
銀時 - 凄い面白かった!天元が爆笑してるの想像したらめっちゃ笑えてきた! (2020年4月24日 3時) (レス) id: 6c694a1b22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬田 - 幸せです (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空風まりも | 作成日時:2019年12月14日 20時