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気がつけば私の目の前に黄色が広がっていた。


「う…良かった…俺たち生きてるっ……!!

…怖かった……」


いきなり抱きすくめられ、声を押し殺しながら泣いている善逸くん。
終わって緊張の糸が切れたのだろうか、背中に回された腕に力が入っているのが伝わる。


『(そうだよね。まだ16歳だもんね…)
…怖かったね…頑張ったね

よーしよしよし。』

流れる涙を袖口で軽く拭ってやると
私も善逸くんの背中に腕を回し背中をトントンと叩いてあげた。

…まるで母親になった気分だ。
善逸が泣き止むまでこうしておこう。


暫く時間が経ったあと、私たちは初めの場所にむかった。





。。。



集合場所に向かうと私たちの他に7人くらいの子どもがそこにいた。
その中には自分の血で応急処置を施した子もいた。
向こうは覚えてないとは思うけど…でも生きてて良かった。


「…A!!!」

『炭治郎くん!』


7日ぶりに見た炭治郎は少し痩せて顔は泥だらけで、そして怪我があちらこちらにあった。
体が痛むのだろう、少しぎこちない走り方でこちらに向かってくる。

『うへ…苦しいよ…』

付けていたお面を剥ぎ取られ、力一杯に抱きしめられる。
何度も手で顔を寄せられ生きてて良かったとおでこをくっつけられた。

ボロボロの体でどこにそんな力があったのかと思うくらいに抱きしめられて、私も自然と涙がでた。


『…ごめんなさい。

一人で勝手に…』


「…その事に関しては後で沢山言い訳を聞くから…!!!


…とにかく無事で、無事で良かった!!」





周りのみんなが凄い勢いでこちらを見ているのが気にはなったが、誰も咎める事はなかった。
みんな優しい。





「「お帰りなさいませ

おめでとうございます。

ご無事で何よりです。」」



表情を変えず淡々と入隊後の説明をされる。
隊服の寸法、階級の説明、刀について…そして
私の肩に止まっているこの鷲

…鷲?

なぜ鴉じゃない…
と周りを見回すと、私同様鴉じゃないものがもう一人

「え?鴉?雀じゃね?」

少し離れたところに善逸が掌に可愛らしい雀を乗せている。
『(そう言えば…善逸雀だった…)

よろしくね、鷲さん。』


そっとくちばしを撫でてやるとキィと鳴きながら嬉しそうに擦り寄ってきた。
この子めちゃくちゃ人懐っこくて可愛い。

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設定タグ:鬼滅の刃 , トリップ , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時

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