こんにちは天国【鬼滅の刃】

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家に帰ると、
鍛錬で伸びっぱなしの炭治郎くんの髪の毛を
鱗滝さんが切った。
…鱗滝さん、美容師になれるんじゃね？
凄く上手。



炭「どう、かな。」

床に散らばる紅い髪の毛を片付ける私に炭治郎くんは聞いてきた。
これこれ、私が馴染みのある炭治郎は。
結んでるのも可愛かったけど、ショートもかなり可愛い。

『あーうん。かわいいよ。似合ってる』


炭「…男に可愛いはちょっと…」

…仔犬かな？
不服なのかちょっと唇を尖らせて言う炭治郎くんは本当に可愛い。
顔が良いってほんと強いな。


『…大丈夫、ちゃんとかっこいいから。』

炭「…ほんと？？」

『ほんとほんと
もし私が炭治郎くんと同い年なら一目惚れするくらいにかっこいい。』


炭「…っナ、何を(一目惚れって…)」


私が言った途端に顔を真っ赤にさせて俯く炭治郎くん。
どうした？
もしかして怒ったのか？

褒めただけなのになんて理不尽。
もう褒めないぞ。

鱗「次はAだ。」

鱗滝さんに呼ばれ、私は床の上に腰を落とした。
私も炭治郎くんと同様に髪を切ってもらう事になっているのだ。なんてレアな体験。


鱗「…切るぞ」

私の黒い髪の毛にハサミが入る。

ジョキンッと切るたびに鳴る音が心地良い。


炭「…そんなに切るのか？」

リズミカルな散髪音が響く中、
炭治郎くんは眉間にしわを寄せて私の顔を覗き込んできた。

『うん、まぁね』

元々私の髪は腰の少し上あたりまであったのだが、
鱗滝さんに切ってもらいどんどん短くなる。
さようなら私のツヤツヤな黒髪。





回想。。。

私が鬼殺隊に入りたいと言ったあの日、
実は鱗滝さんからある約束を結ばされた。


それは、私が強くなるまで
鬼殺隊では本当の姿を見せない事。

つまり私が女だと分からないようにする事だ。

これは血の呼吸の使い手の情報を敵に与えない為
だと鱗滝さんは言っていた。

別に男装が嫌なわけでは無いが(やってはみたかったし)、現実的にみて漫画じゃあるまいし、さすがに隠し通すのは無理があるような気はする

善処はするけれど…


。。。回想終了


『…とまぁ、こう言う事だから、「え？俺何も聞いてないんだけど？？？」

これから暫くは弟として扱ってね、

炭治郎おにーさん。』




目を丸くしている“おにーさん”をよそに、
私は軽くなった頭を左右に振り、残り毛を振り落とした。


鱗「(…ちと切りすぎてしまった)」


『(…鱗滝さん器用すぎる)』




鱗滝さんの腕前はプロだった。

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