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×××
｢それで？仕事のこと聞かせてよ｣
しとやかで、綺麗な声音が鼓膜を揺らした。
女性のような男性、否、男性のような女性
どちらも有り得るし、声や体躯からの判断は難しい。
まあ、云ってしまえばこの人に性別などないのだが、生物学的には女の部類に分けられる、この人は古くからの知り合いだった。
琥珀色の液体を喉に流し込む。
｢んー、特に変わりはないよ｣
｢でもさっき、慌ただしくって云ってたのは？｣
｢主に上司の仕事放棄。｣
｢へえ？｣
｢パワハラで訴えられたらいいんだけど生憎そんなに優しい世界じゃないからね…｣
そうだね、なんて苦笑する彼女は、わたしが知っている人間の中で一番美しいと思っていた。
彼女はテレビの中や雑誌の表紙で見かけてもおかしくないような、カリスマ的なオーラすら纏っている。
｢恋愛は？｣
そんな何気ない彼女の言葉に、
喉の奥でアルコールが飛び跳ねる。
｢ないない！まるでなし！｣
｢そっかー、てっきり彼氏でもできたからここに来る時間なくなっちゃったのかと思ってた｣
｢そんなわけないですよ｣
｢ありゃ、でもなー、こんな可愛い子誰も放っておかないと思うんだけどなぁ、｣
�爐�世辞はやめてください＿＿��
わたしが真面目な顔で睨んだのを笑いながら、彼女がカウンターの裏側を漁った。
｢はい、これ。｣
机の上に置かれたのは、
わたしの名前が書かれている封筒。
｢ありがとうございます｣
｢中身はいつも通りだから、使用量は守って｣
封筒を開けると、錠剤が
違法な薬ではない。断じて違う。
実は目の前の彼女、昼間は病院のお医者さんなのだ。
中身は普通の、睡眠薬と安定剤。
錠剤が底をつくと、こうしてわたしは彼女のもとを訪ねる。
彼女もわたしの職を気遣ってかこうして、深夜の面会を許した。
医者と患者、それだけの関係だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
｢じゃあ、明日も仕事なので｣
｢そうなのかい｣
｢そうなんです、なかなか休みが取れなくて｣
バッグに封筒を詰め込んだ所で、彼女の声が心做しか低くなった。
｢最近は眠れてる？｣
思い返せば、
あまりいい傾向ではない自分の生活が蘇る。
こんなの話したら怒られちゃうな。
｢微妙です、それじゃ｣
小さく手を振ってカウンターを後にした。
｢…微妙、か。よくないなあ、｣
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DEEN - めっさ面白くて一気読みしたしもう一回読んできますね！！更新待ってます！ (2019年12月29日 0時) (
レス) id: 03bfdf54f9 (このIDを非表示/違反報告)
みらヰ(プロフ) - ｋｋさん» ありがとうございます!!温かいコメントに創作意欲が湧くタイプの女なので何よりの活力です!!嬉しいです、頑張ります!! (2019年2月4日 19時) (レス) id: 09cb0bcf34 (このIDを非表示/違反報告)
みらヰ(プロフ) - 千風さん» ありがとうございます!!色々重なって遅くなっちゃいましたが、これからも頑張ります!! (2019年2月4日 19時) (レス) id: 09cb0bcf34 (このIDを非表示/違反報告)
ｋｋ - 今日初めて前作から読ませていただいた者です。引き込まれすぎて一気に最新話まで読んでしまいました!これからも頑張って下さい。応援しています。 (2019年2月3日 21時) (レス) id: 760b02daa1 (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - 続編おめでとうございます！ これからも楽しみにしています！ (2019年2月3日 14時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
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