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柳田「…だってもうW杯も終わって
俺はもう2日したら海外だし、
離れちゃうから。だから……」
『あのさ、まさくん。』
まさくんは俯き気味にそう言ったから、
私はそんな彼の"言葉"への呆れと、
いらつきから言葉を発する。
『私、貴方と離れるのが嫌だって
いつ言った? 前にお互いに頑張ろうって
言ったばかりだよね。
私も、専学頑張って保育士の資格取るって。
だからまさくんも向こうで頑張ってって。
……まさくんは、私の言葉の何を聞いてきたの?
私、不安なんて何も無いよ。』
捲し立てるように言ったあと、すぐ
後悔の念がわき上がる。
何でこんな棘のある言い方しちゃったんだろう。
『……ッごめん。その……全然怒ってるわけじゃ、』
柳田「謝らないで、A。
……不安なのは俺の方なんだ。」
『え……』
まさくんはまた、あの泣きそうな顔をして
言葉を紡ぐ。
柳田「歳のこともあるし、俺、不安なんだ。
もしかしたらお前は同い年くらいの男と
付き合いたかったかな、とか他にも
ずっと傍にいてくれる人の方がいいかなとか
そんなことばっか考えて。
ドイツに行かなきゃならない俺を、本当は
Aはどんな風に思ってるのかなとか。
……ごめん、なさけないよな。」
泣きそうな彼の目から
ぽろぽろと涙がこぼれて、頬を濡らす。
___あぁ、そんな顔。 こっちまで泣きそうになる。
『泣かないで、まさくん。』
涙をいっぱいに溜めた赤い目は、
悲しそうで、切なそうで。
床に落ちそうになる彼の涙を
指で掬うと、彼は私の手指に
頬を寄せてくる。
……なんて愛らしいの。
私もたまらなくなって彼にぎゅうっと抱きつく。
泣かないって思ってたけど、
彼の涙にはめっぽう弱いみたいだ。
柳田「A……?」
『まさくん…………ッうぅ……ッ』
私の涙がまさくんの服を濡らす。
まさくんは私が泣いているのに気づいて
身体を離した。すると、
.
その直後には、彼からの甘いキスが降ってきた。
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ちくし(プロフ) - まみさん» そう言って頂けると、制作意欲がもりもり湧いてきます^^ 更新の方頑張りますので全日本男子バレーの作品共々、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年1月9日 23時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ちくしさん» ありがとうございます!楽しみにしてます!ちくしさんの作品大好きです! (2020年1月9日 18時) (レス) id: aba54813fb (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます。また、別のバレー関連の作品の更新状況が落ち着きましたら書かせて頂きますね^^ 参考になりました! (2020年1月9日 18時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 結婚式挙げてのその後のお話がみたいです! (2020年1月9日 18時) (レス) id: aba54813fb (このIDを非表示/違反報告)
みか - いいねがあったら、いっぱい押したい (2019年12月27日 17時) (レス) id: 0541ecb78d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばばば | 作成日時:2019年12月10日 22時