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『まさくん、そろそろ戻ろう?』
ずっとタオルを手から離さない彼に
声をかける。
柳田「……わかった。」
ちょっとむすっとした顔で立ち上がったまさくんは
手をこちらに差し出してくれる。
柳田「立てるか?」
『ありがとう、大丈夫だよ。』
差し出された手は借りず、自分で立ち上がる。
__と、壁の向こうから何やら音がした。
『……?』
柳田「……有志、祐希。」
まさくんは我がチームのオポジット(19)と、
バレー界の逸材のアウトサイドヒッター(23)の
2人の名前を口にした。
「ッあ、お前がバランス崩すから!!」
「祐希さんだってふらついてたじゃないっすか!」
『ふ、2人とも!ずっと聞いてたの?』
祐希くんは苦笑いで、有志はしゅんとした顔で
言った。
石川「遅いねって、有志と。」
西田「そ、2人が心配やってん…………」
『祐希くん、有志……』
しょぼんとした顔で言う有志は、
まるで遊んでもらえない子犬みたいで。
柳田「心配するのは良いけど、盗み聞きは
良くないよな。」
まさくんは2人に圧をかけるように言った…が、
そこに祐希くんは爆弾を落としたのだった。
祐希「だってマサさんとAちゃんが
抱き合ってたし……そういう雰囲気かと思って。」
『っえ……確かにぎゅーしてくれたけど、
私が泣いてたからってだけで……その、
えっと、』
祐希くんのその発言に焦ってそう返す。
テンパる私を見て、まさくんは言う。
柳田「いやないからそういうの……。
妹みたいな感じだし。何、そういう
祐希は真祐ちゃんと抱き合ったりしてんの?」
石川「いやそれはないかな……。」
『っそうだよ、歳だって10こくらい違うし
まさくんなんておじいちゃんみたいなものだよ。』
柳田「はぁ?おじいちゃんってなんだよ
そんな歳じゃねぇし。」
西田「キャプテンが……おじいちゃん……ッふふ、
ふふふ……ッ」
.
『 妹 』
なんでこんな一言でショックなんか、
受けてるんだろうなぁ。
今は、怒って頬をつまむ彼の指も、
感覚を感じることはできなかった。
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ちくし(プロフ) - 零崎哀識さん» コメントありがとうございます。ご心配おかけしまして申し訳ございません。当方人差し指でスマホ操作を行うので長文を書くのが難しくなりました。できるだけ早くお話が書けるよう頑張りますのでもう少々お待ち頂けますようお願いします。 (2019年11月3日 13時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
零崎哀識(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませていただいてます!怪我の方お大事になさってください!更新楽しみに待ってます^^* (2019年11月2日 15時) (レス) id: 0970f9f72e (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 暁さん» ご指摘ありがとうございます。只今修正しましたのでご確認の程お願い致します。これからもご指摘の程よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - あささん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。ありがとうございます。更新速度に自信はありませんが、手当り次第バレーの知識に触れながら、続きを書いて参ります。よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 遥さん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。続きを皆さんにお届けできるよう頑張りますので是非ともよろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばばば | 作成日時:2019年10月25日 23時