季節カレシ

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「…お前の、お母さんにな、」





私の目をジッと見つめる貴大。

私もそれに応えるようにジッと見つめ返す。




「娘さん、俺が一生大事にするから、


あなたの代わりに俺が守るって約束するから」






フワリ、開いた窓から風が入って来る。

暖かくて、優しい風。







.







「…Aを、もらっていいですか


って。」



ニコリ、と微笑む貴大。




私の目からは思わず涙が溢れた。

次から次へと涙が溢れて、止まることを知らない。




「ここまでが、お前の母さん宛てな。」






そう言うと、貴大はバラの花束を

私に差し出した。




そして、こう言ったんだ。







.








「俺と、結婚してください。」






.









涙で濡れる頬、


震える手、


でもわたしは確実に、その花束を受け取った。






「よろしくお願いしますッ…！」









まだ、高校３年生で

結婚なんてまだまだ先のことになるかもしれない。

でも私の旦那さんは貴大しかあり得ないから。









お母さんには、ちょっと早めの報告になったね。


結婚式をする時が正式に決まったら、

またちゃんと二人で、









.









『母の日』に、報告しに行くから。









END.*



5月カレシ

＊夢華＊

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