189話 ホントの笑顔 ページ47
ーーーー土方side
俺はアイツの容体が急変したと山崎から聞いたが、そのまま取り引き場所に向かう。
俺がコンテナの影で様子を見ていたときだった。
チャカ
俺の背後から頭になにかを押し付けられた。
これは銃・・。
敵かと思ったが、チラ見をしたとき目に入った銃と黒服で検討がついた。
土方「なにしに来た・・A」
「あれ?よくわかりましたね、副長」
振り向けばおちゃらけたA。
土方「なにしに来たか聞いてんだよ」
「え、だって副長が今日の取り引きで逮捕するって命令したから、しっかり準備して来たんですよ」
そう言って笑うアイツ。
でも俺は誤魔化されねぇ。
土方「アイツが大変なときに、そばにいなくていいのかよ。いくら任務でも、それとこれじゃ別だろうが」
「・・・大丈夫です。ミツバ姉のところには総悟がいます。総悟がいれば充分です」
そう言って作り笑顔を見せる。
嘘がバレバレだ。
土方「本当はアイツの所に行きてぇんじゃねぇのか?そんならココに来なくてよかっ「確かに・・」
俺が帰らせようとしたら、アイツが遮って言う。
「確かにミツバ姉のことは心配です。だけど、ミツバ姉の大切な家族はみんな守りたいから・・・。だから私はここに来たんです」
コイツの言ってる意味が正直わからなかった。
土方「・・・だったら総悟のところにいるのが正解だろうが。それともなんだ?テメェは旦那である奴を守りに来たとでも言いてぇのか?」
俺が攻め立てるように言うと、コイツは言う。
「違います。私が守りに来たのは・・ミツバ姉の・・私たちの家族である土方さんです」
土方「・・・・」
「・・・確かにミツバ姉には幸せになってもらいたい。だけど、蔵場が幸せにできるかなんてわからない」
土方「・・・俺だってアイツを幸せにできるわけねぇーだろうが」
俺がそう言うとAは
「確かにそうです。土方さんが、私たちが、ミツバ姉を幸せにできる保証なんてないです・・。だけど、ミツバ姉をあんなに笑わせてあげることができる。今のミツバ姉は、本当の笑顔じゃなかった・・・」
そう言うと涙を流すA。
「だから私は、ココであなたを・・・トシ兄を守るの」
そう言ったコイツの顔は、涙で不細工だったが、真剣な眼差しだった。
俺は覚悟を決めて言う。
土方「わかった。テメェに俺の背中を預ける」
そう言い、二人である場所に向かった。
226人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小鈴 - 沖田の語尾の小さいひらがながあるじゃないですか。あれをカタカナにしたほうが読みやすいかもしれません!あと、とても面白かったです!これからも頑張って下さい! (2017年3月22日 11時) (レス) id: 7ef5a986e0 (このIDを非表示/違反報告)
femme - 久兵衞でなく、九兵衞ですよ (2016年6月21日 23時) (レス) id: 566dc5cd32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沖田いずみ | 作成日時:2015年12月9日 22時