検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:8,541 hit

5話 ページ7

アレから1週間ほど経った。
その間にも、毎日のように土方さんは煙草を買いに来てくれていた。


「いつもありがとうございます」


いつものように作った笑顔でタバコを渡す。


よし!今日はいつもって言葉を付け足して話せたと内心喜んでいる。
しかし土方さんはいつもの土方さん。


「あぁ、またな」


そう言って黒い隊服をなびかせ出て行ってしまった。
少しガッカリしてしまう。


「あーあ、今日も話せなかった」


今日の土方さんを見送った後は、週2くらいで来る近所のおじさんが時折来るのみ。
新規のお客さんなんてココにはほとんど来ない。


「今日の仕事も終わりかな」


まだ昼の2時を回ったばかりの店先を眺める。
そんな時だった。


「すいやせん」


初めて見る顔が目の前にあった。


「いらっしゃいませ」


新規のお客さんかもと営業スマイルを見せる。
もしかしてこのご時世に、煙草を買う場所がなくて、わざわざココまで来てくれたのかと内心思う。


しかし思う。
この人・・・20歳超えてるの?
明らかに童顔だし、明らかに年下に感じる。


「あの・・タバコは20歳になってからですよ」


ちょっと言い出しにくい。
もしかしたら童顔の人なのかもしれない。
失礼な事を言ってしまったかもしれないと焦る。


「別に買いに来たわけじゃねぇですよ」


彼のその言葉に少し驚く。
では彼はなにをしに来たと言うのだ。
外は晴れてるし、雨宿りというわけではなさそうだ。


「失礼ですけど、なにをしに?」


もしかしたら危ない人なのかもと内心ビビりながら睨みつける。
もしなにかしてきたら、警察に連絡しようと彼を見る。


しかし彼を見て気づいた。
見覚えのある黒服。
この服は


「・・土方さんと同じ」


今日午前中にやって来た彼と同じ服。
つまりこの人は真選組。


「あの野郎と同じにされるたァ、侵害だねェ」


目の前の彼はかなり不満そう。
そんなに土方さんと同じにされるのが嫌なのだろうか。


「俺は沖田。沖田総悟」


「はぁ・・」


いきなり自己紹介をされた。
イマイチ状況が掴めないでいたら、彼は言った。


「アンタ・・・土方さんのコレかィ?」


そう言って彼は自身の小指を立てた。

6話→←4話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 平凡
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖田いずみ | 作成日時:2018年2月13日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。