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13話 ページ15

「どうして、副長?」


不思議そうな顔をして山崎さんは言う。
私は黙ってしまう。
だが沖田さんは私の気持ちをわかってしまっている。


「決まってんだろィ。土方さんの逢い引きの相手だって言っただろうが」


だから毎日逢い引きに来る土方さんが来ないから、心配してるでさ。と沖田さんは言った。


「あ、逢い引き!?」


人生で初めてそんな事を言われたため驚く。


「ありゃ?逢い引きじゃないんで?だってアンタ土方さんのコレだろィ?」


と沖田さんはいつか私に見せたように小指を立てた。


「えぇえええ!!副長と!?」


山崎さんは沖田さんの言葉に本気にした様子。


マズい、私と土方さんはただの店員とお客さんであると訂正しなければ。


「ち、違います!!沖田さん、何度も言ってるじゃないですか!私と土方さんはそんな関係ではないです!!」


「へぇーなるほどねェ」


沖田さんは意味深な言い方をした。


なんとか山崎さんの誤解を解く事ができてよかった。


そうホッとしたのもつかの間だった。


「でもアンタは土方さんの事、好きですよね?」


その場は一瞬シーンとなった。


「え?え?え?」


山崎さんの私と沖田さんを交互に見る様子で、やっと私は現実に戻って来ることができた。


「す、す、す・・」


「これは結構自信あるんですがねェ」


アッサリと言う沖田さん。


この人わかってて言ってるよ。
わかってて面白がってるよ。


「で?土方さんのこと好きですよね」


「・・・」


絶対私の顔は真っ赤だろう。
どうしよう、どうしよう。


そうやって悩んでいた時だった。


「たく、どれだけ待たせるつもりだ。煙草一つも買いに行けねぇのか」


急に聞こえた声に入り口を見れば


「副長!!」


「ひ、土方さん!!」


「なんでィ、結局来たんですかィ?」


土方さんがイライラした様子で立っていた。


「買いに行くって言って何時間待たせんだ、コラ」


「買いに行ってまだ40分ですぜ。ま、煙草切らしてからは1時間以上経ってると思いやすが」


そんな土方さんに沖田さんは普通に答える。


「たく、良いところだったのに邪魔しやがって」


「あ?」


「あぁ!副長も沖田隊長もやめてください!!」


なんだか雰囲気がピリピリしてきた気がする。

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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2018年2月13日 10時

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